昨季スキーを手にした人がいれば、冬の山に再び戻ってきたスノーボーダーもいる。
雪山の前では彼らは皆、平等に雪を愛する男たちなのだ。彼らがなぜ雪山に魅せられることになったのか、その熱い想いを語ってもらった。
Case6 佐藤千尋さん(39歳)、珀くん(11歳)、友くん(8歳)職業:プロサーファー、DJ
スノーボード歴:8年
よく行くスノースポット:星野リゾート アルツ磐梯(福島)
年間滑走日数:30日
愛車:トヨタ エスティマ 2006年式
千葉・一宮を拠点にプロサーファーとして活動する佐藤千尋さんは、冬になると雪山を目指す。「雪が良くなる日なら、家族で多少の無理をしても行きます」と、ときには日帰りで行くことも。よく訪れる福島県の「星野リゾート アルツ磐梯」なら片道5時間ほどのドライブだが、山での楽しみを思えば苦にならない。
「子供たちと一緒に海でも雪山でも遊んでいますが、スノーボードは“一緒に滑っている”という連帯感を、より強く抱けるんです。そこがサーフィンとは異なる魅力ですね」。
そんな温かな父の眼差しを受けながら雪上に立つ兄弟は、既にスノーボードに思い切りハマっている。長男・珀くんは「ツリーランが好き」と林の中をスイスイ滑り、次男・友くんは「ビュンビュン行っちゃうもん」とスピードマニアを思わせる。
また親子で雪山を楽しむ秘訣を聞くと、「子供のギアはいいモノを用意すること」と千尋さんは言う。
「元気いっぱいの子供たちは雪遊びもするし思わぬところで転びもする。クオリティがしっかりしていないと、ウェアの中まですぐ濡れてしまうんです。結局、乾かすのは親の役目ですからね。いいモノを使えば、多少懐が寒くなっても雪山ではみんな笑顔になれるんです(笑)」。
SNOW GEAR for DAD
パウダーに強く、どれだけ深い雪でもノーストレス
「モス スノースティック」のスノーボード、U4 EX
「波の上での遊び心を雪の上でいかにすれば表現できるか」というコンセプトがこもったデザイン。千尋さんの愛用は、ウッド材のデッキにピンストライプでグラフィックが描かれた特別仕様の限定版。
ブレのないカービングがたまらない
「モス スノースティック」のスノーボード、C3
所有する数本を、雪の状況などで使い分ける千尋さん。最近多用するこのモデルは「ノーズとテールを短くした分、幅を出して浮力のバランスを取っている」デザイン。深雪にバッチリ。
「パタゴニア」のアウターシェルとパンツ
シンプルでセンスのいい配色が、白い世界に映えるセットアップ。「ゴアテックスだけどウインドブレーカー並みに柔らかいんです」というジャケットの下は、フリースなどをレイヤリング。
スキー61
「ユニオン」のバインディング、コンタクトプロ
「サーファーだから足元には自由に動く感覚が欲しい」と、バインディングは柔らかめのモデル、コンタクトプロをチョイス。足首が自在に動くことで得られる繊細なコントロール感覚がいいという。
「MSR」のスノーシュー
雪山のプロが愛用する「MSR」のスノーシューは「誰に聞いてもこのブランド推し。先人により培われた上質さが購入の決め手です」。常に危険が伴うバックカントリーで使用するギアに求めるものは、何より製品クオリティに基づく信頼感だ。
「ディーラックス」のブーツ、インディペンデント
インソールを熱成型にすることで、より足にフィットする状況を生み出せるモデル、インディペンデント。シューレースのタイプを愛用するのは、微調整をしながら足とブーツのフィット感を追求するため。
「イワタニ」のカセットフー 風まる
風に強いことで有名な「イワタニ」のコンロがあれば雪山でも簡単にお湯を沸かすことができる。「コーヒーを淹れたり、小腹が空いてカップラーメンなどを食べるときに役立ちます」。
SNOW GEAR for KIDS
パパを真似しながらのスノーサーフィンが楽しい
「モス スノースティック」のスノーボード、26SW
ふたつに割れたテールがターンのたびにフレックスするから、カービングがしやすいデザイン。乗りやすいため兄弟で同じモデルを使用している。
これでパウダーランもカービングもお手のもの
「モス スノースティック」のスノーボード、26SW
こちらは珀くんのマイボード。林の中を滑るツリーランではタイトなターンが楽しめ、またパウダーでは必要以上に後傾姿勢を意識しなくても深雪を疾走していける。
「プリズム アウターウェア」のアウターシェルとビブパンツ
「これは珀のウェア。子供にはオーバーオール型のビブパンツがいい。ズレないし転んでも雪が入ってこないから、何も気にしないで滑れる」と千尋さん。友くんは色違いのものを使用。
スキー2
「ユニオン」のバインディング、キャデット
友くんが使っているバインディングはお兄ちゃんのおさがり。成長の早いキッズのために、ヒールカップの位置を調整できる仕組みになっていて長く使える。さすがバインディングの専門ブランドだ。
「ディーラックス」のブーツ、ジュニア
子供たちのブーツは千尋さんが使用しているブランドのジュニアモデルをセレクト。「柔らかくて軽量なこと。ボアシステムだから自分でも脱ぎ履きのしやすいことが魅力のブーツです」と千尋さん。
「バートン」のグローブ、ユース ゴアテックス ミトン
ゴアテックスを使ったハイスペック仕様の友くんのグローブ。「値段もハイスペック(笑)。でも上質なものがあってこそ、子供も僕ら大人も存分に楽しめるんです」とパパの千尋さん。
PAK OK SUN(CUBE)、高橋賢勇、板倉淳夫=写真 野上大介、尾日向梨沙、高橋 淳=取材・文