風雨から身を守ってくれるものや、真冬の寒さをしのげるもの。先日紹介した「
本当のゴアテックスについて知らなすぎた」しかり、機能素材は日々進化を続けている。
ショップで手に取ったアウトドアウェアや、クローゼットに並ぶアクティブな洋服たちの機能と活躍させるべきシーンを、我々はちゃんと把握できているだろうか?
機能素材を正しく理解することは、高機能な洋服を100%楽しむことにつながるのだ。では、これから新たにワードローブに加えるとしたら、どんな選択肢があるのだろう。
この疑問を、アウトドアマン御用達のMt.石井スポーツ 新宿東口ビックロ店で主任を務める安達伯陽さん(36歳)に投げかけた。
「僕自身、山にも登りますが、普段街中で生活しているときにもアウトドアウェアに搭載されるさまざまな機能素材の恩恵を受けてます。ここでは、実体験をもとに、使い勝手が良くて快適な素材と、そのオススメアイテムをいくつか挙げてみましょう」(安達さん ※以下カッコ内はすべて)。
覚えておきたい“似て非なる”機能性ファブリック
「ドライQエリート」ー着てすぐ発揮する高い透湿性ー「防水・透湿素材は世の中にたくさんありますが、このドライQエリートが優れているのは、着てすぐにその効果が発揮されること。内部の温度がある程度まで上がって透湿性が機能するものが多いんですが、これは着始めから湿気を排出してくれて、ドライな着心地をキープできるんです」。
「ドライQエリート」を使ったオススメアイテム トレッキングをはじめ、バックカントリーなど雪山でのアクティビティにも対応してくれる、防水シェルジャケット。ドライQエリートの採用で、内側の不快な蒸れを軽減してくれる。
「ゴア ウィンドストッパー プロダクト」
ー特化した防風性とブランド十八番の防水・透湿性ー
「登山をするときに着ていくことが多いんですが、いちばん機能を実感できるのは、山の稜線に出たとき。吹きざらしになったときに体温と体力の低下をかなり和らげてくれるのを実感しています。独自のメンブレン(※
メンブレンの説明はコチラを参照)素材を用い、完全ではないですが高い防水性を持っています。シームシーリングがされていないぶん、生地の自由度が高く、動きやすいのもポイントです」。
「ゴア ウィンドストッパー プロダクト」を使ったオススメアイテム 撥水加工が施されたソフトシェルで、マムートのロングセラーモデル。ゴア ウィンドストッパー プロダクトを採用したことで、風による温度低下をかなり軽減してくれて、内部の湿度も快適な状態にキープ。袖口にはサムホールをあしらっている。
「ポーラテック・パワー・ストレッチ・プロ」
ー着心地と重ね着をラクにする伸縮性ー
「ズバリ、このポーラテック・パワー・ストレッチ・プロがほかのフリースと違うのは、非常に伸縮性が高いこと。フリースというと裏も表もモコモコしているものを想像しがちですが、これは裏地がしっかり起毛しているので暖かく、表地は滑らか。なので上にアウターも重ね着しやすいです。あまりに快適すぎて、今では自宅にいるときも着るようになりました(笑)」。
「ポーラテック・パワー・ストレッチ・プロ」を使ったオススメアイテムスペイン発の気鋭登山ブランド、テルヌアのジャケット。ブランド名はかつてバスク人が長い旅の果てに辿り着いたという島の名前に由来するもので、胸元にはクジラの尻尾を模したブランドロゴが刺繍であしらわれている。ポーラテック・パワー・ストレッチ・プロの採用で、保温性もさることながら、抜群の動きやすさが備わっているのが魅力的。
「ヒートナビ」
ー太陽光を吸収して生まれる抜群の保温性ー
「使われている繊維が太陽光を吸収し、熱を生み出します。実験ではこのヒートナビによって+5℃、衣服内部の温度が変わったという結果が出ているそうですが、実際に着るとそれが実感できます。曇りの日でも太陽光はあるので、それに反応してしっかり保温してくれます」。
「ヒートナビ」を使ったオススメアイテム シンプルなポケット配置とスマートなシルエットで取り入れやすいフルジップジャケットは、肌面起毛なので肌触り良好。炭素系無機物質を繊維に練り込んだヒートナビで、保温性も抜群だ。
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