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ビリ営業マンから1日100万円を売り上げるトップ販売員へ

自分がもっと情熱を注げるものは何か? そう考えた浅野さんが行き着いた結論は、「スポーツ」だった。3歳から12歳までは水泳、中高ではサッカー部、大学時代はボクシングジムに通うほど、浅野さんは無類のスポーツ好き。ボクシングはプロを目指すほど打ち込んだ時期もあったという。
「これを言うのは恥ずかしいんですが、大学時代、街で絡まれたことがあったんです。正直怖かったし、何もできない自分がすごく悔しかった。それで、強くなりたい! と思ってボクシングを始めました。単純なんです(笑)」。
食事制限をして体重を落とし、ボクシングジムに通い詰める日々を送った大学時代。大学生活を謳歌する周囲とは対照的に、浅野さんは「運動ばかりしていた」と苦笑する。ハマるととことん打ち込んでしまう性質は、趣味のサーフィンにも当てはまる。20代の頃は1日7時間、海に入る生活をしていたこともあったようだ。
「サーフィンって軟派でチャラついたスポーツというイメージを持っていたんですけど(笑)、社会人になる直前に友人に誘われて一本波に乗ってみたら、もう最高だった。初めてサーフィンをしてから1カ月、ずっと海に入っていたぐらいです」。

体を動かすことに関して、自分はなんでも楽しめる。そこで浅野さんが転職先にしたのが、スポーツ用品の販売員だった。地元のショッピングモールのなかにある大型スポーツ用品店での働きっぷりは、これまでと大きく異なるものだった。
「イオンモールのなかで接客のロールプレイングコンテストがあって、各店舗から代表が200人ぐらい集まるんです。要は誰が接客がいちばんうまいかを決める大会なんですけど、予選から決勝まであって、僕は社員になって4年目、その大会で優勝しました」。
「好き」か「好きじゃない」か、その違いがここまで仕事の結果に差を生むことに何より驚いたのは浅野さん自身だろう。
「自分に会いにお店に来てくれるお客様もできたし、当時流行っていたロデオボーイだけで1日100万円売り上げたこともありました。お店でも頼られるようになって、前職とは一気に環境が変わったんです」。
万年最下位の営業マンだった浅野さんが、接客コンテストで優勝できたのは、一体なぜだったのか。そこには前職での失敗や経験もさることながら、好きだからこその打算のない接客姿勢が影響していた。
「走るのが好きだったので、入荷する靴はすべて足を入れて試しました。だからお客さまに何を聞かれても履き心地からクッション性、曲がりやすさまで答えられるんですね。サプリメントも好きだったので、店にあるものはすべて飲んで、味や飲みやすさを正確に伝えることができたんです。体に良かったかはわかりませんが(笑)」。


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