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ルーツや用途に沿った着方をすれば、機能性をより体感しやすくなりますよ
「ウエスタンマウンテニアリングのフラッシュベスト」


甲斐一彦さん Age 45
バンブーシュート  ディレクター
僕はこの世代(2018年で45歳)のご多分に漏れず、渋カジをとおしてアウトドアウェアに夢中になったクチです。1992年頃に次世代のアウトドアブランドが続々と出てきて、より深みにハマった感じですかね」と語る甲斐さん。お店をオープン後しばらくして、厳しい環境下でアウトドアウェアの機能を体感するため、自ら山に向かうようになったそうだ。
「この冬はダウンの当たり年なので、今日はダウンの話をしようと思います。私の好きなブランドとアイテムはずっと変わりません。ウエスタンマウンテニアリングのフラッシュベストとフェザードフレンズのヘリオスジャケット、この2つ。
共通点はシュラフの製造からスタートしたことと、シェルの下に着るのを前提に作られていること。特にこのベストを最初に着たときは感動しました。800フィルパワーの超高品質なダウンは、当時からライバル勢を圧倒していたし、インナーダウンという考え方が画期的でした。
当時のダウンベストはセーターなどの上に着るのが主流で、ボリューミーなものがほとんどでしたから。ジッパーが、裏表を逆にして縫われていることにも驚きました。信じられないかもしれませんが、なぜか裏側が表よりも滑りがいいんです。
それに、裏側のほうがフラットだから上に着たアウターへも響きづらい。こういった機能が先行しながらも、それがデザインによく落とし込まれている点が素晴らしいですね。それにこの高品質でアメリカ製にもかかわらず、現在では2万円台という誠実な価格設定も素晴らしい」。
「機能下着のピタピタ感がイヤ」という甲斐さんが愛してやまないのが、マウンテンハードウェアのキャニオンシャツ。「この生地はすぐ乾くし、折りたたみ式の襟は立てると日焼け止めになる。現在は廃番品なので復刻してほしいですね」。
またアウトドアウェアを街で着るコツについては、「サイズを間違えないこと。必ずしもジャストサイズを選ぶという意味ではなく、今季だと少し大きめのシェルを着てみるとか。あとは、本来の用途に沿った着方を街でもすること。シャツの下には、汗でベタつかないウールのインナーを身に着けるとか、そういう知識を得ると、より機能を体感しやすくなると思います」。
かいかずひこ●東京・渋谷の古着店、メトロ・ゴールドなどを経て、アウトドアをファッションとして提案する店、バンブーシュートをオープン。ショップ名を冠したウェアライン「バンブーシュート」もスタート。ディレクターとしてデザインから生産まで、すべてを統括している。
 

アークテリクスこそ、僕にファッションとアウトドアの
親和性を教えてくれたブランド
「アークテリクス × ビームスのシェルパーカ」

パーカ4万5000円/ビームス 原宿 03-3470-3947
中田慎介さん Age 41
ビームス  メンズカジュアルディレクター

「好きなアウトドアブランドはたくさんありますが、今の気分で挙げるならアークテリクス。僕は学生のときに2回のアウトドアブームを経験していて、最初は高校生だっ1993年頃。今思えば、そこがアウトドアウェアをファッションとして着ることになったスタート地点ですかね。
次は’97〜’99年で、渋谷にあった『B・E(アウトドアウェアのセレクトにも強烈なオリジナリティがあったビームスの伝説的なショップ)』で、お客さんとしてアークテリクスのシェルパーカを買いました。止水ジップのハイテク感とド派手なカラーリングがとにかく衝撃的で格好良かった。自分のファッション感が変わったアイテムです。色の洪水のような斬新なアメカジを夢中になって追いかけました」。
ビームスに入社後も、中田さんにとってアークテリクスは特別な存在だそうで、「初めてNYに出張したとき、雨が降ってきて、当然のように先輩にNYの老舗スポーツ店、パラゴンスポーツに連れて行かれました。で『どれにする?』って。傘を差すという選択肢はなく、アークテリクスのシェルを600ドルで買いました。いや、買わされた(笑)。先輩いわく、雨はシェルで対応するのがクールなんだと。これも街で着るアウトドアの原体験かもしれません」。
もちろんビームスにとってもアークテリクスは特別なブランドだ。「’98年に日本のセレクトショップとして初めて取り扱ったのを皮切りに、2001年から定期的に別注商品を企画しています。今季リリースしたモノトーンのクレイジーカラーのシェルは、都会の迷彩柄をテーマに製作したもの。黒が好きな人のために“ハレの日の黒”を作ってみたかった。
僕は高校生の頃から街でアウトドアウェアを着続けていますが、最近は皆さんがアウトドアウェアの良さに気付き始めている気がします。’90年代当時よりも裾野が広がっていて、スタイルとして定着してきている。今シーズンっぽく着たいなら、トップスは大きめでボトムスはジャストフィットのバランスがいいと思います」。
なかだしんすけ●栃木県出身。2000年、ビームスに入社。「ビームス プラス 原宿」のオープニングスタッフとして参画し、オリジナルアイテムの企画やバイイングなどに携わる。その後、2012年よりビームス プラスのディレクターを経て’16年より現職。
 
清水健吾=写真 増田海治郎、今野 壘=文


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