昨シーズンくらいから、ビッグシルエットが大人たちにも刺さり始めている。出始めにおいては躊躇して、「様子見」を決め込んだ諸兄も、いよいよ今冬、視野に入れてみるべきかもしれない。
安心してください、今年もその手のたっぷり感があるコートは大豊作。いざ、真剣に選ばれよ。
「ディセンダント」
意外にも珍しいオールブラックのウール混ツイードを使用した「ロイドジャケット」。ショールカラー風のピークドラペルや、上下で2つあるポケットのデザインなど、視覚的にも遊んでいる。
「ヌメロ ヴェントゥーノ」
赤みを帯びた独特のキャメルは、今季ランウェイのキーカラー。ダブルブレステッドのチェスターならではの「たっぷり感」と色を堪能。フェイクレイヤードのシャツ袖が付く点も面白い。
「ビズビム」
ダブルブレストをループで留める特有のデザインを持つ「マリポーサ ランチコート」。美しいステッチワークやレザーのトリミングなどの丁寧な仕事はさすが日本製。腰丈のふっくらシルエット。
「ヘリーハンセン ロイヤル マリン クラブ」
1940年代のフランス国鉄作業員が着ていたというコートがベース。リアルなワーク服を、上質メルトンで柔らかく仕上げている。可動性の高いルーズシルエットは、奇しくもトレンディ。
「ジュリアン デイヴィッド」
ソフトツイードを生地量たっぷりにとった贅沢な一着。ロングなコクーンシルエットからは、東京を拠点にクリエイションを続けるブランドらしい、「今」を切り取るセンスが滲む。
「キャプテン サンシャイン」
毎シーズン素材を変えて登場する定番「トラベラーコート」の最新作は、キャメルカラーのメルトンを採用。いわゆるバルマカーンのデザインで、Aラインを描くシルエットは人気も根強い。
清水健吾、高橋絵里奈=写真 星 光彦=スタイリング 髙村将司、いくら直幸=文 長谷川茂雄=編集