和室に合うワーキングチェアは、なかなか見かけません。ラウンジチェアなら和洋折衷なものがあっても、仕事用となると……。そもそも畳とキャスターの相性は最悪ですから、さもありなん。しかし自宅が純和風建築で執務室が畳敷きというワタクシの場合、そんなことも言っていられません。
チェアマット&ゴブラン織りのラグでガッチリと畳をガードし、選んだのがハーマン ミラーのセイルチェアです。イヴ・ベアールが手掛けたコチラの特長は一目瞭然。バックレストがフレームレスの樹脂製で、ヨットの帆(セイル)のような形状なのです。
座り心地はバツグンで、背骨のカーブをなぞるように支え、ひねりや前傾姿勢など、どんな姿勢でもきっちりトレースしてくれます。
メッシュ形状は日本古来の蚊帳のようで和室に異物感を与えず、そこまで背が高くないのでインパクトも控えめ。いい意味で“脇役”としてしっくり来る印象なのです。
さすがハーマンミラーと唸らせられますが、お値段は割と控えめで、7万円台から。同社のアーロンチェア(アーロン リマスタード)が19万円台からと考えれば、そのコストパフォーマンスは驚異的です。「より少ないパーツで、より少ない素材で」という設計コンセプトのたまものですが、“そぎ落とした美”という点も和室に馴染むポイントといえるかもしれません。
編集部K=文
Appleとサバゲ、クルマをこよなく愛する37歳。週末は地元でお坊さん。