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先駆け! 春のトレンド偵察隊
ソフトがプリインストールされているということは、青春時代に敬遠していたジャンルやタイトルをプレイする好機でもある。
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」には『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』や『星のカービィ スーパーデラックス』といった、思春期には手を出しにくいキャラゲーが多数。今なら子供と楽しむのにジャストと言える。
「NEOGEO mini」に初代から3作目が収録されている『メタルスラッグ』シリーズには、今だからこそ気付ける映画のパロディが。成熟した精神力のおかげで、難易度の高さにも余裕を持って立ち向かえるはず。
「プレイステーション クラシック」内蔵の『I.Q Intelligent Qube』や『XI [sái]』は、スタイリッシュなパッケージアートやパズルゲームといったジャンルから、手を出しにくかった人も多いのでは。しかし、普遍的なゲーム性は今なお色褪せることなく、大人になってプレイするからこそ、その深さにハマるのだ。
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」と「プレイステーション クラシック」に付属するコントローラは、本体と違ってオリジナルのサイズをほぼそのまま踏襲。往年の操作性をそのまま再現している。ジョイスティック採用の「NEOGEO mini」なら、格闘ゲームに欠かせない複雑なコマンドだって、違和感なく入力可能だ。また、別売りの外部コントローラーの接続ができ、対戦プレイにも対応。
ミニという言葉に、スペックの低さを感じているなら、それはまさに杞憂であろう。むしろ、過去を懐かしみつつ、さらにジョイスティックで高みへ。かつての憧れを実現できるのである。
今回紹介した3機種は、テレビとの接続を有線で行う。昭和世代的には何かとエラーの不安を感じさせる、目に見えない通信より頼もしいもの。コードから漂うアナログ感も、アイテムとマッチしていい感じだ。
さらに泣かせるのが見覚えのある懐かしいパッケージ。かつて店頭で指をくわえて眺めていた、昔の記憶が蘇ってくる。ほかにも実際には使用しない端子やボタンまで再現されている場合も。
ネットやスマホがなかった’90年代、インドアアクティビティの中心はTVゲームだった。ど真ん中世代の我々は大人になり、少しずつその楽しさを忘れてしまった。しかし、当時の熱狂を思い出させてくれるアイテムが現れたのである。無視する理由は全くない。テレビまわりに置いたって邪魔にならないコンパクトさで、ソフトが散らかる恐れもない。なにより、自分が夢中になった遊びを、我が子に教えられる喜び。ベーゴマやメンコを教えてくれた父親の充実感、今こそ我々が味わうときではなかろうか。
金井幸男=文
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