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世界中を飛び回るコーヒーハンターJosé. 川島 良彰さんの真骨頂

ミカフェートのコーヒー選びは、土壌、気温、雨量、日照、風向きなど栽培環境の優れた畑を探し出すことから始まる。こうした農園を探し出すのは、コーヒーハンターJosé. 川島 良彰さんの真骨頂だ。そして、それらの畑は川島さんが策定したミカフェート独自の厳格な基準によって、Grand Cru Café、Premie Cru Café、COFFEE HUNTERSシリーズクラスへと格付けされる。
コーヒーハンターという肩書きは、川島さんがこのようにコーヒーに情熱を傾ける姿から生まれた“あだ名”のようなものだったという。
「そもそも川島がコーヒーハンターと呼ばれるようになったのは1999年のこと。マダガスカル島に幻のコーヒー、マスカロコフェアを探しに行き、ジャングルの中、マスカロコフェアの樹に向かって突き進む姿を見た現地のガイドに名付けられました」。
コーヒーを通じて国際協力の仕事にも携わっている川島さん。実際にこの日、ルワンダへと飛び立っていた。
「ミカフェートは日本では初めて、サスティナブルコーヒーチャレンジという国際的取り組みに加盟しているコーヒーカンパニーです。たとえば川島は、国際協力機構(JICA)のプロジェクトで、過去に大きな内戦のあったルワンダコーヒー産業の立て直しのため、コーヒーの栽培技術指導をしています。また、タイ王室のメイファールアン財団が取り組む、少数民族のアヘン栽培を一掃してコーヒー栽培で自活させるプロジェクトのアドバイザーも務めており、実際に栽培されたコーヒーは商品化をし、販売もしています」。

人種も違えば、民族性も違う世界各地の農園主たち。彼ら生産者の市場を作ることがミカフェートの仕事だという。
「自然環境と人権を守りながらおいしいコーヒー作りに励む生産者が報われるよう、その価値を認める今までに無かったサスティナブルな市場を作るのが私たちの仕事です。そのために必要な栽培技術指導もします。コーヒーの品質は畑だけで出来上がるものでなく、収穫の時期、収穫後の精選加工、輸送・保管方法、焙煎、包装方法すべてが関わってきます。その全工程に関わって、一切の妥協はしません」。
中條さんが熱く語る姿は、川島さんの薫陶を受けてきたことをうかがわせる。
「例えば、低地でも川島による栽培・精選技術指導があれば、十分に価格に見合ったおいしいコーヒーを作ることができます。貧しい人たちが作ったものだから、まずくても買ってあげようというのは上から目線ですよね。いかなる地域であったとしてもテロワールを活かした品質の良いコーヒーを生産できるようにし、そのサスティナブル(持続可能)な取り組みを理解するレストランや企業、自治体、学校団体などを増やし、品質の良いコーヒ ーをどこでも飲めるような、三方良しの市場を作りたい。これからも、頑張る生産者が安心してコーヒー栽培を続けられるような市場を作っていきます」。
川島さんは現在、生産者と消費者をつなぐだけでなく、生産者と生産者をつなぎ、技術革新を図るために世界中を飛び回っている。
 
コーヒーのためにできることは、すべてやる
「ミカフェートのミッションは、“すべてのコーヒーをおいしくする”ことです。そのために、品質のピラミッドを作り、コーヒーにもワインのような明確な品質基準を設けました。本物のコーヒーを作るためには、ワイン同様、土壌の良さ、作り手の品質管理が重要です。最高級のコーヒーは、優良農園の中でも、最も環境の整った区画の完熟豆を収穫の最盛期に収穫し、厳選することで生まれます。そして最高級のコーヒーをつくるためには、すべてのコーヒーをおいしく作ることから始まります」。
コーヒーの明確な品質基準は、すべてのコーヒーをおいしくするだけではない。その先には、サスティナブルコーヒー栽培の実現があるという。
「これまでにない品質を追求したコーヒーを販売し、本当のおいしさを伝えることが何よりも大切です。コーヒーの価値がわかる消費者が増えれば、品質の高いコーヒーに相応の金額を支払う人が増えます。生産地の農園はさらに品質向上を目指すことができます。まさに、それがサスティナブル(持続可能な)農園経営につながっていきます」。
中條さんに淹れてもらった一杯は、至高の芸術品だった。この一杯が出来上がる全工程の中で、どこか少しでも手を抜けば、ここまで透き通った味わいは実現できないのだろう。コーヒーに関わるすべての人々が、こうした姿勢を持つようになれば……。
そんな未来を実現するための活動が、コーヒーハンターなのだ。その仕事の一端に触れたければ、ぜひ一度お召し上がりいただきたい。
 
【取材協力】
BARNEYS CAFE BY MI CAFETO PREMIER
住所:東京都港区六本木7-7-7 バーニーズ ニューヨーク六本木店2F
営業時間:月~木・日 11:00~20:00/金・土 11:00~20:30
定休日:不定休
【問い合わせ先】
バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター
電話番号:0120-137-007
衣装協力=バーニーズ ニューヨーク
林 和也=撮影
佐藤宇紘=取材・文


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