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2018.10.21

あそぶ

没入感あふれるスピーカー「PHANTOM」で、休日の俺は映画の主人公になる

連載「俺の家電」
服に靴、車、腕時計。それに家。男がこだわるべきものは多々あれど、より上の生き方を求めるなら、一度家の中を振り返ってみてほしい。そこに並んでいる品々で満足か? QOLに影響大な家電たち、そろそろ「俺の!」と胸張れる逸品を選ぶ時では? 知識豊富な二子玉川 蔦屋家電のコンシェルジュに伺った、本当に持つべき傑作をレクチャーする。
楽しみにしていた週末が到来。ちょっとした持ち帰り業務があるのを理由に、妻と子供は実家へ行かせた。昼前に仕事を片付け、カバンから取り出したのはDVD。去年公開されたビッグバジェットのアクション大作だが、家族で観るにはちと刺激が強過ぎるタイトルだ。
缶ビールとビーフジャーキー、それと最近入手したスピーカーの「PHANTOM PREMIER(ファントム プレミア)」をテーブルに。ソファに浅く座り、肘枕でリモコンを操作する。激しいカーチェイスから映画はスタート。
細かいスリップ音、エンジンのうねりが部屋中に響く。感じるはずのない、ギアチェンジの音まで聞こえそうだ。ズーンと腹に響く重低音とともに、憧れの高級車が大爆発。思わず姿勢を正し、前のめり気味にディスプレイと相対する。すべてを忘れ、ヒーローになりきれる時間が始まった。
既存のスピーカーとは一線を画すデザインに、没入感あるハイレベルな表現力が秘められている。ファントム プレミア 39万9000円/デビアレ www.devialet.com/ja-jp/
映画や音楽を十分に満喫するには、ハイスペックなアンプ、スピーカー、ウーファーなどが欠かせない。だからこそ、複雑配線の高級ホームシアターセットや巨大なスピーカーが求められるわけだ。シンプルで小さい音響機器も登場しているが、とことん浸りたい男の欲求を満たすにはまだ遠いかもしれない。
今年9月にフランスから上陸したデビアレ社のファントム プレミアは、たったひとつで本格ホームシアター以上の没入感と迫力を得られるスピーカー。近未来的なデザインから放たれる、澄んだ高音と聞いたことのないような響きの重低音が、音に包まれるとはどういう感覚なのか教えてくれる。
スピーカーとは思えない風貌の中に、ハイテクノロジーが詰め込まれている。
歪みや割れ、バックグランドノイズのないクリアさの秘密は、「ADH」(Analog Digital Hybrid)テクノロジー採用の内蔵アンプにある。アナログ由来の優れた音質に、デジタルのパワーとコンパクトさがブレンドされた、この独自技術が中枢を担っているのだ。「ADH」以外にもデビアレ社はたくさんの次世代技術を実現し、多くで特許取得に成功。それらがふんだんに落とし込まれているのだ。
実際、最上位モデルのファントム プレミアは、最大4500Wで108dBの出力が可能となっている。お祭りやクラブイベントで使用されるスピーカーが500W前後。オーケストラの音圧レベルが120dB、電車通過時の高架下で100dBと言われていることを考えると、桁違いのパワーだとわかるだろう。
体が震えるほどの圧、効果音のディテールまで拾い上げる再現力により、リビングは映画館に早変わり。たった1台のスピーカーさえ用意すれば、のんびりひとりのオフタイムを、お気に入りムービーの世界に没入して過ごせるように。
 
フューチャーライクなデザインに秘められた数々の最新技術
「スピーカーらしからぬルックスですが、実力は既存モデルを大きく上回ります」と、蔦屋家電の音楽コンシェルジュ・小松純平さん。斬新なデザインには理由がある。音響再生工学の第一人者であるハリーF.オルソンの、振動する球体の音響原理に基づき、全方向へ正しい音が飛ぶよう設計した結果なのだ。
「なかでも重低音が圧倒的。これだけのパワーは、もっと大きさが必要なはずでした」。低音再生を担うウーファーは側面に1基ずつ。「HBI」という独自技術が盛り込まれており、14Hzの超低音が再生可能となっている。稼働時には円形のカバーが目に見えて震え、視覚的にも面白い。
目に見えるほど振動するウーファー。高さ255×幅253×奥行き343mmのコンパクトサイズとは思えないほど響く。
そして、先端部にサウンドのコアというべきミドルレンジと高音担当のツイーターが。従って、正面のポジションが最適となる。「とはいえ、日本の住居環境だと音が反射しやすいですから、どの位置にいても5.1ch感覚のサラウンドが楽しめると思います」。
真正面のシルエットは新円に近い。初見でスピーカーだと明言できる人はいないだろう。
ファントムシリーズのスタンダードモデルは最大出力1200W、101dBの「クラシック ファントム」で、約25万円。最上位のプレミアに比べると低スペックに思えるかもしれないが、よほどの豪邸暮らしでなければむしろ現実的だ。小松さん曰く、「各社が比較的リーズナブルなモデルを発表し、カジュアル化が進む傾向にあるスピーカー。そのなかでこのプライスは、ハイエンドなモデルとなります」とのこと。
「しかし、価格に対して性能は十分すぎるくらい。オーディオマニアでなくとも感じられるレベルの違いと使いやすさを踏まえれば、間違いなく適正と考えられます」。
デビアレ社自体も要注目。音響に関する特許を多数保有し、欧米ではすでにビッグネームになりつつあるそう。商品開発に多大な資金を投入し、出資者はルノーのカルロス・ゴーンや、LVMHグループ会長ベルナール・アルノーなど。10年後にはオーディオ界のアップルになっているかも。
加えて、ジェイ・Z&ビヨンセが愛用。スティングも「これで僕の音楽を聴いてほしい」と述べている。USミュージックシーンのビッグカップルと、UKロックのレジェンドが認めるスピーカー。音楽好きのパパも食指が動くのでは?
【取材協力】
二子玉川 蔦屋家電
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
電話番号:03-5491-8550
営業:9:30〜21:00(音楽・文具・BOOKは9:30〜22:30)
定休日:1月1日
きくち よしみ=撮影 金井幸男=取材・文


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