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実はお手軽。豆本来の味を引き出す「プレス式」
さて、おすすめのコーヒー豆を教えてもらったら、やっぱり抽出の方法も工夫したい。定番のドリップ コーヒーもいいが、又見さんのおすすめは「コーヒープレス」だという。

「コーヒープレスは、コーヒーの味を最大限に引き出すいれ方です。大きな特徴は、金属のフィルターを使っていること。ペーパーフィルターの場合、コーヒーの油分を吸収するため、すっきりとした味わいになります。一方で金属の場合、油分もすべて抽出され、豆本来の味わいを楽しめます」。
 
論より証拠。「実際にいれてみますね」と又見さん。
 
まずは器具をよく温めて、挽いたコーヒーの粉を入れる。お湯180mlに対し、豆の分量は10gが目安だ。
 
「豆の挽き具合は、抽出器具によって変えましょう。コーヒープレスは『粗挽き』、ドリップ コーヒーは『中細挽き』で挽いてください。また、コーヒーの抽出時間は、お湯に触れる豆の面積が大きいほど長くします。そのためコーヒープレスは、じっくりと時間をかけて抽出するのです」。


そこに90℃から96℃のお湯を注ぎ、ヘラで混ぜる。お湯とコーヒー粉を満遍なく触れさせ、ムラをなくすのだ。ちなみに、お湯は浄水した水やミネラルウォーターなどの軟水を使おう。硬水だとミネラル分が多く、コーヒーの苦みも強調されてしまうとか。
 
待つこと4分。最後にゆっくりとプレスしたら……。

難しい手順もなく、あっという間に出来上がり。

「ドリップだと注ぎ方にコツも要りますが、コーヒープレスならどなたでも味を均一にできます。なんとなく“通のいれ方”というイメージがあるかもしれませんが、むしろ本格コーヒーへの入門にぴったりですよ」。
 
今回いれてくれたのは、スターバックス ライトノート ブレンド(R)。口に運ぶと、華やかさとともにコーヒープレス特有の重厚な味わいに魅了される。同時にいれてもらったドリップ コーヒーと比べると、口あたりの重みが違う気がする。コーヒーへの本格デビューをするなら、コーヒープレスはいい選択肢になりそうだ。
 
また、スターバックスといえばメニューに書かれていない“裏メニュー”が知られているが、こうしたコーヒープレスのサービスは、実は店内でも楽しめる。店頭に並んだ豆から気になるものを選び、「コーヒープレスで」とオーダーすればOKだ。お値段は一杯370円。「いきなり豆を買うのはちょっと」という人は、お試しに飲むのも手だろう。
 
最後に又見さんは、コーヒーをワンランクおいしくする“スターバックス流”の飲み方も教えてくれた。

「まずはカップを手で覆い、コーヒーの香りを楽しみます。液体を口に含むときは、そばを“すする”ように音を立てて、勢いよく飲んでみてください。スプレー状にコーヒーが広がり、舌全体で豊かな風味を味わえます」。
 
いつもスターバックスにお世話になっている人も多いことだろう。気になるオリジナル豆を見つけたら、気さくなバリスタたちに声をかけてみるといい。きっと最高の一杯に巡り会えるはずだ。
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佐藤宇紘=取材・文


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