前編で披露した、僕らの心を掴んで離さないモード×デニムなスタイル。
それぞれのブランド理念のもと再解釈・再構築されることで、身近であることに変わりはないのに、特別感を纏ったデニムへと生まれ変わる。後編でもその尽きない魅力をたっぷりと堪能してもらいたい。
SAINT LAURENT サンローラン
モードが再構築する、あの時代のストリート感
見るなり心を掴まれる。紛うことなき「渋カジ」だろう。これについてブランドからの説明はないが、オーシャンズ世代なら共感必至。ジャケットが日本製という点からも確信犯的な匂いが。そして、Tシャツのマルチボーダー柄も懐かしい。コーデュロイ襟にライニングを備えたGジャンを古着屋で漁った日々が蘇る。
DUNHILL ダンヒル
艶やかなブーツカットもまた、格好いいと思わせる懐の深さ
ブーツカットを見るにつけ、デニムというアイテムの受け皿の広さと深さに感じ入る。マーク・ウェストンが提案するのは、母国イギリスに軸足を置いた’80年代カルチャーを再解釈したスタイルだというが、それでも僕らに馴染む。ブーツカット&ウエスタンブーツは、若き頃に歩んできた道だから。艶のある男性像に仕上げるところは、彼の手腕にほかならない。
MAISON MARGIELA メゾン マルジェラ
男らしさを表現するふたつの重要なファクターが融合
男の服飾史を彩ってきたステンカラーコート。これがデニム地となると、ありそうでなかった新鮮なものとなる。両者とも身近なのに。ラグランスリーブに比翼仕立てといった正統なコートの作りにして、デッドストック調の生デニムと白ステッチ。コート好き、デニム好きの両者にリーチする出来栄えで羽織るだけで特別な存在感すら纏えるようだ。
GIORGIO ARMANI ジョルジオ アルマーニ
大人の色気をモノにする、フレンドリーなストレッチデニム
ジョルジオ アルマーニからは一本貫くスタイルが感じられ、ある意味で僕らの未来図がそこにあった。ただ、今やもう未来ではなく、手が届く年頃に。そんな折、清潔感のある色落ち加工と裾幅19.5cmのスリムなストレッチデニムを発見。フレンドリーな本作を媒介に、ダブルのジャケット&渋色のTシャツと合わせれば、嫌味のない大人の色気が演出できる。
LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン
アメカジの原点を磨き上げる、モードの仕事に感嘆
デニムと革ジャン。変わらず僕らが好きで着続けるアメカジの1丁目1番地。生地ヅラのいいリジッドデニムと、滑らかな手触りの上質レザーブルゾンを見れば、その本質を磨き続けるのが、モードと呼ぶこともできよう。また、両アイテムにはイニシャルやパッチなどを入れられる「NOW YOURS」というカスタマイズサービスが受けられる(納期は約8週間)。
長友善行=写真 梶 雄太=スタイリング HAMA=ヘアメイク