OCEANS

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「基本的には家でリラックスします。風呂に入ったり、マッサージをしたり。シーズン中は、もちろん練習と試合が中心ですから、日常はその準備。オフの日でも、頭のどこかに次の練習や試合のことがあります。だから、満喫しすぎないように(笑)。ヨーロッパは年末年始に2週間ほどウィンターブレイクがありますから、そこが切り替えのポイントですね」。
欧州でシーズンを終え、そのまま大会に突入。帰国後もすぐに各種メディア対応やイベントに参加する八面六臂の活躍に、その疲れを慮ると「皆さんが思うほど、日々張り詰めているわけじゃないです(笑)」と一笑。「実を言うと、こういうメディア対応は苦手なんですよ。今だってプレッシャーを感じています(笑)」。
そう言って茶目っ気を滲ませる。「サッカー選手なので、自己表現はピッチの上でしたい、というのが本音。ただ日本を代表するサッカー選手として、自分にしか伝えられないこともあると自覚しています。だから、このような機会は、ひとつの使命だとありがたく受け止めているんです」と、どこまでも前向きだ。
一方で、チャリティ活動や子供たちとのサッカーを通じた交流にも意欲的である。つい先日も、西日本豪雨に対して、自身がアンバサダーを務めるタグ・ホイヤーの時計をチャリティオークションにかけたばかり。
「ヨーロッパのサッカー文化では、選手のチャリティ活動は当たり前。これは現地で学んだ経験です。今回はこうして注目していただけましたが、日本でのサッカー文化の浸透はまだまだだと自分では思っていて、ピッチ内外での活動を通し、ひとりでもサッカーファンを増やしていきたいというのが僕の行動の原動力。結局ベスト16を超える結果は出せなかったことを真摯に受け止め、次の4年、新たな挑戦、新たな厳しさを追い求めていきたいです」。
不撓不屈。自らを奮い立たせ、まっすぐ目の前を見据えるこの男に、また僕らは未来を託したくなる。
 
清水健吾=写真 三田真一、橋本 敦(KiKi inc)=スタイリング 長谷川竜士(FiNC Fit)=ヘアメイク 髙村将司=文


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