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「失敗もまた楽しみ」な夕食



みんなの顔を明るく照らす焚き火を使い、食事の準備を開始。そこには調理道具やカトラリー類は一切なく、あるのは米を炊く飯ごうとナイフ1本のみ。枝で作った串に肉を刺し、笹で作った網に乗せて遠火でじっくりと炙る。もう一方の肉は焼いた石に乗せて焼き、食べ比べる。

「これはたまらない味だね」「石焼きの方が美味しい」など思わずついた言葉とともに、自然と頰がほころぶ。通常のキャンプよりひと手間もふた手間もかかった料理は、失敗もまた楽しみとなる。口に入れるまで味の予想のつかないワクワク感は、通常のキャンプ料理では味わうことのできない、新しい体験だ。
 


翌朝、深緑の中にある拠点を覗くと、焚き火でコーヒーを淹れながら楽しげに話す彼らの声が聞こえてきた。「あのハンモック、快適で熟睡できたよ」「マットなしでシートだけだったけど、結構快適だった」。それぞれの作品の出来栄えを確かめるように、拠点の居心地を評価しあっていたようだ。

一夜を過ごしたフィールドを去るため、後片付けを始めた4人。その行為もまたブッシュクラフトならでは。地面を掘って作った焚き火台を元通りにし、消火した炭は砕いて肥料として自然へと還す。これもまた、大人がすべき自然を相手にしたレジャーの姿だろう。

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