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2018.08.13

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【250文字読書感想文】いい大人だからドキドキできる小説4冊

あっという間に過ぎ去った2018年上半期で、37.5歳が読むべき、観るべき、聴いとくべき「本、映画、CD」を一気におさらい。楽しめカルチャー! 楽しめ夏休み!
いつもスマホでブルーライトで目は疲れ、たまにはゆっくり本でも読みたいなーと思って本屋に行ったら、まずこの4作を探してほしい。2018年上半期で話題になった小説で、大の大人こそドキドキ・ワクワクできるはずだから。
 

芥川賞候補作品に選ばれた天才・松尾スズキの最新作
『もう「はい」としか言えない』

松尾スズキ 著/文藝春秋 1450円
浮気がバレた。でも別れたくない。なぜって、2度目の結婚で、孤独な生活には戻りたくないから。無条件降伏に際して妻から宣言されたのは、仕事場の解約と、毎日のセックス。けれど主人公は性に淡白……。
そんなときにフランスの“世界を代表する5人の自由人のための賞”を受賞。現実から逃亡するようにパリへ飛ぶが、そこには悪夢が待っていた。

人生にもがく男たちの、孤独に光を当てた物語
『選んだ孤独はよい孤独』

山内マリコ 著/河出書房新社 1200円
「女のリアル」の最高の描き手・山内マリコが「男のリアル」をすくい上げた傑作。
地元から出ないアラサー、女子が怖い男子高校生、仕事ができないあの先輩……。誰もが逃れられない“生きづらさ”に寄り添う、情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる19の物語。とはいえ本書は世の男性への応援本。読了後、タイトルの温かさが身に染みる。

溢れる想像力を駆使し、あったかもしれない日本を描く
『ミライミライ』

古川日出男 著/新潮社 2300円
第二次世界大戦後、ソ連統治下の北海道で抗ソ運動を続けたゲリラ組織の指揮官と、21世紀に世界を魅了した若きヒップホップグループとが絡み、展開していく長編小説。
同グループのツアー中にMCを誘拐した犯人の要求は「日本の核武装化」。実際に起きたかもしれない可能性を想像力を駆使して積み重ね、もうひとつの戦後を紡いでみせている。

漫画誌の改革を目指した名物編集長の死の真相は?
『編集長の条件 醍醐真司の博覧推理ファイル』

長崎尚志 著/新潮社 1700円
勝てる漫画誌の作り方で誌面改革を目指しながら、不可解な死を遂げた編集長・南部。その後任に就いたフリーの編集者は、南部が理想とした漫画誌に思いを巡らせ、また死の真相を追求する役目を担うことに。
そうしてたどりついたのは、戦後史上最大の謎といわれる下山事件。はたして南部の死の真相は? 漫画原作者だから描けた漫画ミステリー。
 
甘利美緒、大内ゆみ、小山内 隆=取材・文


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