海の街<熱海編>Vol.4
都会の喧騒から離れ、新たな日常やコミュニティを築くことができる“サードプレイス”として、年々注目が高まる熱海。その魅力のひとつといえば温泉だが、地元の人々はどんな温泉を愉しんでいるか。今回は、観光スポットとしては穴場ながら、熱海で暮らす人々の間でも人気という、ユニークな日帰り温泉を紹介しよう。
「海の街<熱海編>」をはじめから読む地元の人々が愛する“癒し”のあるユニークな温泉施設へ
「そもそも温泉街ということで、日帰り観光客も利用できる施設は多数ありますが、地元で暮らしている身としては、いかにも観光地っぽいところって、やっぱり敬遠しがちになるものです。その点、ここは訪れる人の雰囲気を含め、いわゆる観光施設っぽくないところが、落ち着いていていいんですよね」。
2017年に家族そろって熱海に移住した、地元住民としては“フレッシュ”な部類に入る水野さん一家が薦めてくれたのは、熱海駅から自動車で20分ほど、中心街から山側に離れた位置にある『妙樂湯』。もともと水野さんの奥さんが熱海出身で、移住前から熱海に来るたびに足を運んでいたそう。
いかにも秘湯といったロケーションと、素朴なたたずまいのエントランスを通り館内へと入れば、熱海の山奥の温泉施設という先入観とはかけ離れた、小ざっぱりとした風景が広がる。
「とにかく居心地がいいんですよ。お風呂はもちろん、お食事もオーガニックなメニューが中心で、体に優しいところが魅力。食事&休憩スペースも明るく、広々としていて、ゆったりとした気持ちになれるんです。すぐ裏を流れている川の音が聞きながら、うとうと寝てしまうこともよくあります(笑)」。
と、水野夫人も言うように、地元の人々が妙樂湯を愛するいちばんの理由は、居心地の良さと“ヘルシー”さにある。
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