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賢者のおすすめは、ウィークリー・トレード

短期売買といえば、たくさんのモニターを見つめながら、秒単位で取引をするイメージがあるかもしれないが、それは「デイトレード」と呼ばれる手法。これは、1日の間に利益も損失も確定させてしまう。藤本さんが初心者にオススメする短期売買はデイトレードではなく、「ウィークリートレード」だという。
「ウィークリートレードは、名前の通り1週間単位で利益と損失を確定させるトレードです。単純計算でも、1年間に50回超の取引になり、経験値も上がります。経験値を積めば、相性が良い業界や売買のタイミングなど、得意なパターンが見えてきます。得意なパターンで売買をすれば勝率も上がるはず」と藤本さん。
「20万円とか30万円とか、負担にならない額でとりあえずやってみて、向いているか向いていないかを判断するのもオススメ」だという。「もし、負け続けるようなら個別株は向いていないから辞めたほうがいい。向き不向きも、試してみないと分からないですからね」と語る。
 

個別株投資に向いている人、向いていない人

では、どんな人が個別株投資に向いていないのだろうか。
「確実に言えるのは、勉強する意欲がない人は向いていないということ。性格的には1円でも損したらイヤとか、値動きが気になって仕事が手につかないという人も、向いていないですね。あとは、継続してトレードができない人。例えば、調子が悪くて“含み損”が増えると、戻るまで売れないとトレードをやめてしまう。ひどい人は口座を見ることさえしなくなります。逆に、利益が出してやめる人もいます。利益が出るということは、高値で株を売却したということ。高値だから、売ったあと次の購入に踏み切れないんですね。いずれも、チャンスを逃す行動です」。
今回、藤本さんが語った「資金を成長しそうな会社の株に一点集して、短期売買でスキルを上げる」というのは、個別株の初心者が一定額まで資産を増やすための心得のようなもの。RPGでいえば、とにかくレベルを上げるため、得られる経験値が高いモンスターに集中して何度も何度も闘いを挑んでいくようなものかもしれない。
では、具体的な戦い方はどうすればいいのか。次回は、成長する会社の選び方や購入した株の運用方法、効果的な勉強方法などについて、より詳しく話を聞くぞ。
 
コージー林田=取材・文
【今回のマネー賢者】
藤本誠之
年間300社を超える上場企業経営者とのミーティングを行う、証券アナリスト。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト。著書に『週55分で、毎週5万円儲ける株 』(明日香出版社)など。


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