子育てに影響を及ぼす、セックスの効能
セクシャルコンタクトが増えれば、妻は「女性として見てくれていること」に安心を感じる。これは「子育て」の面にもメリットを与える。
「奥さんが“女性として”いられることで、きつい言葉が少なくなります。また、気持ちも安定します。これは子育ての面で大きく、母親が情緒不安定だと、子供は攻撃的になる傾向があるんですね。攻撃性が出たり、トラブルを起こしやすくなったりするという学説もありますよ」。
妻の持つ寂しさや精神的な不安定が、子に影響する可能性があるということ。もちろん、そこまで大きな問題にならなくても、夫婦円満の家庭で育つほうが、子供が幸せなのは言うまでもない。セックスや妻を愛でる行為が、その一助になると見ることもできる。
妻にはいつまでも美しくいてほしい。そんな夫こそ性生活を見直したほうがいい
「セックスなど、妻を女性的に扱う行為は女性ホルモンの分泌を促します。それは女性が美しさを保つ上でプラスですし、精神的にも奥さんは『女性でいよう』とし続けるでしょう。セックスレスの理由として、『妻の見た目の変化』や『女性性の欠落』を挙げる男性も多いですが、実はその原因こそ、妻に対する男性のコミュニケーションにあるかもしれません」。
一生を添い遂げるパートナーなら、妻にはいつまでも美しくいてほしい。ならば、セックスのある関係は明らかにプラスなのだ。
腰が重くなりがちなテーマだが、これらのメリットを考えれば、セックスレスを回避するのは賢い判断ともいえる。また、すでにセックスレスに陥っている夫婦は、40代に向けて少しずつ挑戦してみるのも良いだろう。
では、どうやってセックスレスを解消すれば良いのだろうか。それは最後にして最大の難題だ。「今さら恥ずかしくて、そんな雰囲気作れない」「以前断られたし、そもそも妻は求めていないはず」という声もあるはずだが、次回はそれにお答えしよう。セックスレスが生まれる背景と、どのように解消していくかを、専門家の見知から迫っていく。
有井太郎=取材・文
【Profile】 山名裕子 1986年5月7日、静岡県生まれ。臨床心理士。「やまな mental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス、恋愛などあらゆる悩みへのカウンセリングを行っている。まだカウンセリングに対する偏見の多い日本で、その大切さを伝えるためにメディア出演や講演会活動を行う。日本テレビ「ナカイの窓」では心理分析集団「ココロジスト」を務める。新書に『読むと心がラクになる めんどくさい女子の説明書』(サンマーク出版)がある。