デニムを最初に大きくフィーチャーしたファッションデザイナーは、カルバン・クラインだ。1973〜’75年にコティ・アメリカ・ファッション批評家賞を3年連続で受賞し、イケイケだったカルバンは、次の一手としてデニムに目をつけた。 その目論見は正解だった。’81年、当時16歳だった女優、ブルック・シールズがCMで「Nothing comes between me and my Calvins(私とクラインの間には何も入れない)」と囁くやいなや、同ジーンズは爆発的にヒット。 以来、ファッションブランドがデニムを手掛けるのは、香水を作るくらい当たり前のこととなった。 そのカルバン・クラインのリブランディングを、2017-’18年秋冬シーズンから任されたのが、ラフ・シモンズだ。彼の「CALVIN KLEIN 205W39NYC」のコレクションは、想像以上にアメリカ色が強く、デニムも古き佳き時代のアメリカを連想させるものが多い。 そうなると、低迷していたカルバン・クライン ジーンズが急に輝いて見えてくるわけで、ファッションとは本当に不思議なものである。