昔のデニムの流行は、わかりやすかった。ストレート、スリム、フレア、3つの主役が数年ごとに入れ替わるイメージで、多くはその流れに沿ってデニムをはき替えていた。
翻って現在は、驚くほど多くのシルエット、素材のデニムが共存していて、何が旬かわかりづらい。さよう、デニム業界はメルティングポットな状況にあるわけだが、そうしたなかで誰もが安心してはけるのは「スリムストレート」をおいてほかにないだろう。
というわけで、OCEANSが今季とくにオススメする、至極のスリムストレートデニムたちをご覧あれ。
サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ
なにはともあれ、まずはサンローランである。前クリエイティブ・ディレクター時代はスキニーすぎて諦めていた大人も多いと思うが、アンソニー・ヴァカレロの手掛ける新生サンローランは、極端に細すぎないのがいい。
さらに2018年春夏シーズンは、OCEANS世代の大好物なアメカジの匂いがプンプン。今最も旬なスリムストレートだ。
リーバイス ビンテージ クロージング
スリムの先駆者はリーバイス606。ナイフで切り裂いたような加工が新しい。
ジョン エリオット
ジョン エリオットは、スウェットもいいけどデニムもいい! 超細身のスキニーは、裾を弛ませてはこう。
スビ
オーストラリア発のスビは、ダメージ加工がカジュアルな装いにピッタリ。裾は断ち切り仕様。
パープル
2017年秋冬にスタートしたばかりのブランド、パープル。ライトオンスのホワイトデニムは、裾のシワ加工がシブい。
ポール・スミス
自然な色落ち加工に、美しいテーパードシルエット。ヘビロテは確定だ。
ブルックス ブラザーズ
トラッドの王様の何の変哲もないスーパーベーシックなスリムストレート。でもこういうのが合わせるものを選ばないのだ。
基本をないがしろにする者は大成できない。現代のデニムの王道はスリムストレート。さぁ、自分に合った“ヘビロテ候補”を探す旅に出よう。
熊谷隆志=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介=スタイリング NORI=ヘアメイク