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援軍は場外にいる。妻を説得するための”仕込み”
また、「ウィンザー効果」というテクニックもある。第三者を通じて自分の評判を耳に入れると、説得力が増すのだ。
「自宅に招待したり、会社の飲み会に連れて行ったりして、奥さんと部下を会わせます。このとき部下とあらかじめ打ち合わせして、『会社でも評判の先輩で頼りになるし、すごくご馳走になってます』と言わせてください。それを聞いた奥さんは『へぇ部下から慕われているんだ』と好感を持つでしょう。奢る資金として、お小遣いを上乗せしても良いかなと思わせたら勝ちですね。小さな信頼の積み重ねが大切です」。(山名先生)
妻は夫の小遣いの使い道をイマイチ把握せず、「毎月○万円も何に使っているの!?」と内心怒っている場合もある。部下を使って「誰かのためにお金を使うときもある」アピールができれば、妻も理解を示してくれるかもしれない。
 
今日から使える!テクニックまとめ
・「フット・イン・ザ・ドア」で小遣い交渉の門前払いを防ぐ
・「ドア・イン・ザ・フェイス」でお小遣いUPの金額のハードルを下げる
・「イエスセット」で妻の「いいよ」を引き出す
・部下に協力してもらって、「ウィンザー効果」の応用で妻からの信頼を積み重ねておく
家計を守る妻は、家族や将来のことを考えて、いつも財布のひもを引き締めがち。それは夫の将来のためでもあるので、まずは妻の日頃の働きに感謝したい。絶対に「少なくてやっていけないよ」と、否定表現で責めることはしてはいけない。妻の気持ちを徐々に和らげる心理テクニックで、お互いに気持ち良く小遣いの交渉を進めていくのが最前手なのだ。
長い人生を生きていれば、大変なことがいくつも起こる。そんなとき頼れるのは、生涯を共に過ごすパートナーだ。そのパートナーとの関係が、ふとしたことでこじれないよう、心理テクニックを上手に使って乗り越えていただければ幸いである。
 
【取材協力】
山名裕子
1986年5月7日、静岡県生まれ。臨床心理士。「やまな mental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス、恋愛などあらゆる悩みへのカウンセリングを行っている。まだカウンセリングに対する偏見の多い日本で、その大切さを伝えるためにメディア出演や講演会活動を行う。日本テレビ「ナカイの窓」では心理分析集団「ココロジスト」を務める。新書に『読むと心がラクになる めんどくさい女子の説明書』(サンマーク出版)がある。
 
いのうえゆきひろ=取材・文
 
 


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