コーディネイトのひとつとして、はたまた顔の印象やその日の気分を変えるツールとして活躍してくれるメガネ。目の悪さをケアするだけの存在ではなくなったそれは、まさにオッサンの心強い味方。
それなりの経験を積み、顔のシワも白髪も増えてきた40歳だからこそ似合うメガネがある。どこかノスタルジーを感じるレトロな趣のヤツらだ。しかもこのタイプ、どうやら最近のトレンドらしい。ならば、手に取らないなんてもったいないじゃないか。
繊細なデザインが目元のシワとシンクロする細メタル 細みのメタルフレームは掛けるだけで博学な印象をもたらしてくれる。しかも、繊細なメタルワークが目元のシワとうまい具合に同調し、自然に顔と一体化。だから違和感なく掛けられるってわけだ。
THE SPECTACLE ザ・スペクタクル メガネ6万1000円/デコラ東京 03-3211-3201、ニット2万4800円/イールプロダクツ(イールプロダクツ中目黒 03-6303-0284) アメリカンオプティカル社のヴィンテージアイウェアを現代に甦らせたもの。優雅なデザインと彫金が持ち味で、一見丸型に見える多角形の玉型シェイプは顔なじみも良い。若かりし頃は気恥ずかしかったメタルの輝きは、エイジングし始めた肌色にありがたいレフ板効果をもたらす。
レトロな「細メタル」 [上から]4万円/アヤメ 03-6455-1103、3万2000円/村井 0120-953-429、3万3000円/ミラリ ジャパン 03-3514-2950、3万6000円/オプティカルテーラー クレイドル 青山店 03-6418-0577 [上から] AYAME アヤメ 一筆書きのマンレイ山ブリッジに、涙型のスカルテンプル。シンプルななかに繊細な表情が。
VIKTOR & ROLF VISION ヴィクター&ロルフ ヴィジョン ローズゴールドのリム上部に映える七宝のブローライン。この数ミリのディテールが大きな違いを生む。
GIORGIO ARMANI ジョルジオ アルマーニ ブラックメタルを用いたこんなシャープな黒ぶちメガネなら、オッサンに丁度良し。
NATIVE SONS ネイティブ サンズ アンティークのようなリアルな質感を再現。やんわりと多角形なリムデザインが思慮深い表情を引き出す。
サーモントの起源を振り返ってみても、我々に似合わないはずはないんだ サーモントが誕生したのは、1950年代だったといわれる。眉の薄さに悩む海軍将校のためにデザインされたのがそもそものきっかけとか。であるならば、同様の年代に差し掛かった我々に似合わないはずはない。
999.9 フォーナインズ メガネ4万3000円/フォーナインズ 03-5797-2249、ブルゾン12万9000円/ロンハーマン 03-3402-6839 べっ甲×ゴールドの色使いやフィッティングを現代的にアップデートさせた最新モデル。掛ければ眉間が凛々しく見え、目ヂカラがアップするという、まさにいいこと尽くしな1本だ。
レトロな「サーモント」 [上から]6万5000円/ディータ 青山本店 03-6433-5892、2万2000円/ミラリ ジャパン 03-3514-2950、5万4000円/ケリング アイウエア ジャパン 0800-555-1001 [上から] DITA ディータ マットブラックのブローパーツやダイヤ柄のカッティングを施したブリッジが硬派な印象を醸す。
RAY-BAN レイバン クリア素材のブローを使うことでメタルパーツが露わに。パッと見、オールメタルフレームのようなライトなルックスが小気味良い。
GUCCI グッチ ブランド象徴するウェブストライプを智にあしらい、語らずともグッチであることを主張。
ダブルブリッジこそ知性と野性を両取りできる万能薬なんだ ダブルブリッジは、本来、フレームの堅牢度を高めるための機能的なディテールとして誕生した。それがいつしか、質実剛健な男らしさのシンボルに。小ぶりで丸みのあるレンズシェイプのデザインを選べば、さらに知性的な印象を得ることができる。知性と野性の一挙両得。これすなわち、顔を印象づけたいオッサンの万能薬だ。
BJ CLASSIC COLLECTION BJクラシック コレクション メガネ4万円/オプティカルテーラー クレイドル 青山店 03-6418-0577、ジャケット4万1500円、シャツ1万6800円/ともにイールプロダクツ(イールプロダクツ中目黒 03-6303-0284) ヴィンテージスタイルのディテールを忠実に再現する同ブランド。そのダブルブリッジは、ゴールドフレームに黒い七宝がアクセントに。
レトロな「ダブルブリッジ」 [上から]2万6000円/デリーゴジャパン 03-6661-9266、2万5000円/G.B.ガファス 03-6427-6989、6万1000円/マイキータ ジャパン 03-3409-3783、4万円/オリバーピープルズ 東京ギャラリー 03-5766-7426 [上から] POLICE ポリス コンパクトなサイズ感のなかで、ミラーレンズがギラリ。ベンチレーションをあしらったサイドフードを装備し、横顔もクール。
ZPARTS ジーパーツ シックな黒鉄色のチタンフレームに、薄いイエローレンズをセット。金属加工の技術に長けたブランドらしい、質実剛健な1本。
MYKITA マイキータ 石の表面のような立体的な塗装をフレームに取り入れる。ブリッジを高い位置にセットしているため、目元がスッキリ。
OLIVER PEOPLES オリバーピープルズ 逆おにぎり型に近い玉型が優しい印象。彫金が施されたブリッジと直線的なトップバーの造形が美しい。
クラウンパントの起伏に富んだフォルムがオッサンの顔を豊かに彩る パントとは、フランス語でボストンタイプのメガネの意味。さらにリム上部を横一直線にカットした佇まいが王冠っぽい、と名付けられたのがクラウンパントだ。一風変わった形が、いつもと違う印象をつくる。
LESCA LUNETIER レスカ・ルネティエ サングラス4万5000円/グローブスペックス エージェント 03-5459-8326、ダウンジャケット13万5000円/タトラス アールライン(タトラス ジャパン 03-5708-5188) フレンチブランドのレスカ・ルネティエの1本は、クラウンパントの代表格。1960年代から作り続けるだけあり、サイズやクラウンのバランス感は見事。下部の曲線とエッジの効いたトップの直線による起伏に富んだフォルムが、顔に豊かな表情を生む。
レトロな「クラウンパント」 [上]3万9000円/コンティニュエ 03-3792-8978、[下]3万円/ブラン 03-6721-0390 [上] MAX PITTION マックス ピティオン クラウンの角に丸みを持たせることで、掛け慣れない人にもチャレンジしやすいシェイプになった。一方で、ストレートテンプルの直線がさりげなく個性を演出する。
[下] BLANC ブラン 浅めでなだらかなカット、そしてべっ甲柄が顔なじみを良くする。ジャパンブランドならではの心遣いだ。
レトロメガネにアクの強さや古くささをイメージしていた人、意外に多いかもしれない。が、いざ手にとってみると意外に今の自分に馴染んでいることに気付く。
それもこれも年齢を重ねてきたがゆえのこと。若造くんには真似できない、40歳ならではのアドバンテージ。それを活かさない手はないんじゃない?
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク