【特集】オッサンとクリスマス
クリスマスにワクワクしなくなったのはいつからだろう。大人になってから？ 結婚してから？ それとも子供ができてから？ もっとオッサンだってクリスマスを楽しんでいいはずじゃない？ 家族のためだけじゃない、オッサンがクリスマスシーズンと聖夜当日を楽しみ尽くすためのヒントをご紹介します！
日経平均株価は21年ぶりの高値を更新、常用雇用指数や有効求人倍率も上昇中と、巷間では「プチバブル到来？」ともささやかれている日本経済。「バブル」と言われてもピンとこないオッサンもいるかもしれないが、好景気はみんなのちょっとした贅沢が積もり積もって盛り上がるもの。そこで2017年のクリスマスは「経済貢献」とかこつけ、男同士でなんちゃってバブル気分を味わってみてはいかがだろうか。
むろん散財にもさまざまな手があるが、なかでも男心をくすぐり、景気や縁起の良さが感じられるのは乗り物の貸切、すなわち「チャーター」だろう。そこで、陸海空を制覇すべくクルマ、クルーズ船、ヘリコプターなどの貸切サービスを調査＆体験してみた。
なかでも比較的試しやすく、お手軽に非日常感を味わえるのは高級輸入車のレンタカーだろう。オリックスレンタカーグループのタステック・レンタリースではメルセデスベンツ、ポルシェ、マセラッティ、レンジローバーといった名だたる輸入車をレンタル可能。ポルシェパナメーラで24時間あたり2万9430円と仲間で割れば十分リーズナブルだ。なお、予約は11月ころから入り始め12月中旬ともなると日に日に埋まっていくので急いだ方がよさそうだ。
レンタカーの一例。左からアウディQ7、ベンツG350、ジープラングラー、レンジローバースポーツしかし普段慣れないクルマを運転するのはちょっと抵抗がある。しかもクリスマスなんだから仲間同士でわいわい酒を酌み交わしたいという向きには、リムジンを貸し切ってしまうのもよいだろう。
都内でサービスを展開するプレミアムリムジンでは、クライスラー、キャデラック、ハマーといった押し出し強めのリムジンを1時間3〜4万円でチャーター可能。定員は8〜9名のため、2時間借りても1人あたり1万円以下で運転手付きのクルーズが楽しめる。飲食物の持ち込み自由というのも庶民に嬉しい。
とはいえこちらも予約状況はレンタカーと同じく、12月ともなると満車になるとのこと。ちょっと出遅れてしまった場合は新年会で利用するのも手だろう。
ハマーH2ベースのリムジン。東京の名所を巡回してくれるこうして黒塗りのロケバスに乗った芸能人よろしく、高級車からクリスマスに沸く都会の喧騒を眺めるのもよいが、いっそのこと”究極の上から目線“としゃれこんで、ヘリコプターで夜の東京を飛んでしまうのも一興だ。
日本フライトセーフティによるクリスマス特別遊覧飛行は、新木場の東京ヘリポートから出発し、レインボーブリッジ、東京タワー、六本木、渋谷、新宿、東京ドーム、上野、東京スカイツリー、東京駅、銀座と所要時間23分で東京の夜景を満喫できるリッチなプラン。
気になる料金は2名で11万2000円（12月23日）、12万6000円（24日・ミニアレンジメント付き）、10万2000円（25日）と日によって異なるが、いずれの日も1万円で1名追加できるので定員の3名で利用すればお得だ。
なお、予約受付は飛行日の3ヶ月前から。各日10便の枠があるが、いずれも満席になりつつあるので電話で確認されたし。
日本フライトセーフティ所有のヘリ。遊覧はあっという間なので撮影するよりも、自分の目でしっかり愉しむことを推奨陸と空、とくれば最後は海だ。
訪れたのは天王洲アイルエリアで30年営業を続ける老舗のザ・クルーズクラブ東京。同社が所有するレディクリスタルは、全長46.5m・346トンのコンパクトなレストランシップながら、威風堂々としたたたずまいなのは日本が誇るメガクルーズ船「飛鳥II」の姉妹船のため。
飛鳥Ⅱとのデザイン共通項が多いレディクリスタル今回体験したのは毎晩運航しているディナークルーズプラン。時間帯やプランによって異なるが、この夜のコースはレインボーブリッジに始まり、東京タワー、お台場、東京ゲートブリッジ、スカイツリーといったきらびやかな東京の夜景をめぐるおよそ2時間のクルーズ。
この時期虹色にライトアップされるレインボーブリッジ。遠くに東京タワーも臨むクルーズ中のハイライトのひとつ船内の居心地の良さや夜景の美しさは当然ながら、特筆すべきは食事のクオリティ。桟橋のあるシーフォートスクウェアにレストランを構える同社だけに、船内でも本格フレンチのフルコースが味わえるのだ。この日は「ズワイガニのアボカド包み」をはじめ「フォアグラ添え松茸の茶碗蒸し」「オマール海老のグリル」「鹿児島産和牛フィレステーキ」などなど豪勢な料理の数々を堪能することができた。
なかでも「さすが老舗」と唸ったのは、景色のハイライトと料理の食べごろがかぶらないよう、料理をサーブするタイミングを細かく見計らっていたホスピタリティの高さ。大切な人をエスコートしても恥ずかしい想いをすることはないだろう。
鮮魚の海藻蒸しとオマール海老・帆立貝・呼子イカのグリルなお、クリスマスのディナークルーズは、フレンチフルコースにお台場でのレインボー花火観覧（12月23日限定）がついて1人・3万2000円（窓側の特等席は4万5000円）をはじめ、12月24日、25日の2万8000円（同3万9000円）などがある。また、地上のレストランで食事を楽しんだあと、2次会として21時からのカクテルクルーズを利用するのも手だ。通常4000円のところ、クリスマス時期はシャンパンなどの特別なドリンクが供されて6000円となる。
そう、肝心の貸切だがレディークリスタルも80名（！）から最大150名までチャーターすることができる。さすがに会社の新年会や結婚式レベルでなければ人数を集めるのは難しいが、1階船尾にある個室であれば3万900円の追加料金で借りられるのでプチチャーター気分が味わえる。個室には専用デッキも備えられているので、仲間だけで海からの東京を楽しむこともできるだろう。
船尾に備えられた個室と専用デッキ。同船ではプロポーズをおこなうカップルの利用も多いというというわけで陸海空と、比較的リーズナブルに貸し切れるサービスの数々を紹介した。むろんクリスマスのみならず、ますますの日本経済の盛り上がりを祈念して新年会や記念日など仲間内の集まりに利用してみてはいかがだろうか。
取材･文／熊山准
【取材協力】 ザ・クルーズクラブ東京https://cctokyo.co.jp/タステック・レンタリースhttp://www.tastech-renta.co.jp/プレミアムリムジンhttp://premium-limo.jp/日本フライトセーフティhttp://www.flysafety.net/cruising.html 
