ダウンは一枚で完結できるから選ぶのがラクと思ってしまうけれど、これが意外に難しい。人と被るのはいただけないし、機能が劣るのも考えもの。何より特有の山っぽさをどうするか、といった悩みもある。
そんなお悩みの解決策が、デザインに強みのあるファッションブランドのダウン。見た目は十二分で機能も十分。そして人との被り問題も解消されるアイテムたちが今期豊作で、バリエーションも凄いらしい。デザインや生地使いも独特でとにかく面白い。そんな一枚を今年の相棒にいかがですか?
PAUL SMITH
ポール・スミス
今季、ダウンのトレンドはロング丈。しかし、動きやすくて暖かいショート丈のダウンはやっぱり便利だ。となると、ポール・スミスのシックなネイビーのダウンは使いやすい。その上、裏地がトレンドのオレンジで、袖と裾のリブも裏側のみがレインボーカラーになっている。オッサンたるもの、外側も内側もこだわるべきなのだな。
NAISSANSCE
ネサーンス
OC世代がネサーンスに惹かれる理由は、トレンドとベーシックの狭間を絶妙に突いたアイテムが見つかること。このダウンコートなんて、まさにそんな1着。超極細糸「シルファイン」を使用した極薄・超軽量の素材に、上質なダウンがパンパンに詰まったこいつなら、街のみならず北風が冷たい海沿いでも大活躍しそうだ。
KENZO
ケンゾー
ケンゾーのロングダウンは、黒の表地とブルーのファーの色の組み合わせがポイント。このブランドにしてはミニマルなデザインだが、この配色がモードなのだ。表地はウォータープルーフで、内側にはスマートフォンとヘッドフォンを収納できるポケットを装備。ファーの襟は取り外すこともできる。
MARNI
マルニ
トレンドの太畝のコーデュロイを、胸元と背中の上部に大胆にあしらった、マルニのダウンコート。スタンドカラーと袖元のリブニット、胸元のレザーパッチポケットなど、素材の大胆な使い分けはこのブランドならでは。新クリエイティブディレクターの、フランチェスコ・リッソの感性がつぶさに感じられる。
SOE
ソーイ
存在感抜群なボリューミーなソーイのダウンコート。今冬は、こうしたファッションブランドから、ヘビーなダウンが続々と提案されている。ストンと落ちる肩のラインや高めのスタンドカラー、美しいAラインのシルエットなど、着たときに見せる姿は、アウトドアブランドとはひと味もふた味も違う。
SACAI
サカイ
洗いをかけた柔らかいベージュのベルベットのダウンは、今や世界のモードを牽引する存在のサカイのもの。ビニールっぽい質感のライトイエローのフード、その内側の白のアルパカ、そしてオレンジのインナーと、素材と配色の意外性、大胆さもアウトドアブランドでは見られないもの。
POLO RALPH LAUREN
ポロ ラルフ ローレン
我々にとって、ラルフ ローレンのパッチワークのシャツは青春時代を思い出す甘酸っぱいアイテム。その思い出を纏いモダンに進化したのがこちら。何と、チェックやサンタフェっぽい柄のパッチワークは、プリントで表現されている。作りも本格派なのは言うまでもないが、相変わらずブツ欲を刺激してくれる。
DIESEL
ディーゼル
さまざまな編み地のニットと、ひょうたんキルティングのダウンを組み合わせたディーゼルの1着。MA-1タイプのデザインなので、合わせるアイテムを選ばないのもいいところ。バックサイドは、ニットのキルティングになっている。写真のグレーのほか、カーキも展開。
ACNE STUDIOS
アクネ ストゥディオズ
胸元にウエスタンヨークをあしらった寝袋のようなダウンコートは、着方によって表情が変わるアクネらしいデザイン。飛行機用のネックピローを付けたかのような“ピローカラー”は、マフラーいらずの暖かさ。起毛仕上げでの表素材は、ポリアミドとコットンの混紡で、どこかクラシックな風情がある。
冒頭でも述べたように、ダウンは一枚でも完結できる。それ、裏を返せば、全体の印象はダウン一着にかかっているということだ。だからこそ、見た目は重要。ファッションブランドのダウンは、その辺りも重々承知している点が、ありがたいのだ。。