OCEANS

SHARE

設定には予想外の「トンチ」が必要! 学習リモコンをスマートスピーカー対応にする手順は?
「eRemote Mini」のセットアップは、難易度的にいえば中級程度。基本的にはマニュアルの通りに進めればよいはずなのだが、筆者が購入した製品は古いロットのためか旧バージョンのマニュアルが添付されており、Echoシリーズと連携させるために「eHome」アプリが必要という記述がなかった。また、「eHome」をインストールしユーザー登録をする際、最近の主流となっているFacebookアカウントでの登録ではなく、メールアドレスによる登録でなければEchoシリーズとの連携ができない、という点にも注意が必要だ。
「eHome」アプリのホーム画面とリモコン画面。アプリ上から複数の家電を操作することができる
セットアップが終わったら、家電リモコンの内容を「eHome」アプリを使い「eRemote Mini」に学習させていくのだが、「Echo Dot」と連携させるためには、ここで一休さん級のトンチを発揮しなければならない。
学習リモコンと連携させるには、「Amazon Alexa」アプリで対応する「スキル」を有効にする必要がある
Echoシリーズで「eRemote Mini」を利用するために必要な「スキル」の設定画面(「Amazon Alexa」アプリ)では、このように他の家電(エアコン、テレビなど)もコントロールできるようにみえるのだが、実は現状(2017年11月末時点)では、「Echo Dot」(Alexa)で公式に操作できる家電は「照明」のみなのだ。
ここで一休さんの登場。確かに、スキルで対応しているのは「照明」のみなのだが、なんと他の家電も「照明」扱いで登録してしまえば、コントロールできるのである(なんじゃそりゃー!)。たとえばエアコンの場合は、「eHome」アプリで「照明」のコントローラーを追加し、そこにエアコンのリモコンの内容を登録。最後に名前を「照明」から「エアコン」に変えればOKというわけ。ただし、あくまでも「照明」のコントロールなので対応しているのは「つける」「消す」「明るく」「暗く」の4操作のみ。エアコンの場合は「明るく」に温度アップ、「暗く」に温度ダウンを割り当てることになる。
リモコン学習の設定画面。「照明」の設定に、無理やりエアコンのボタンを割り当てる
つまり、エアコンの温度を上げたい場合はAlexaに「エアコンを明るくして」と話しかけなければいけないのだ(間抜けだなー)。なお「eRemote Mini」の名誉のために付け加えておくと、同様にスマートスピーカー対応をうたっている学習リモコンの他社製品も、現状ではだいたい同じような状況。おそらく、今後のアップデートで対応する家電の種類やコマンドの数を増やしていくのだろう。

スマートスピーカーとの連携はまだまだだが、学習リモコン自体はかなり魅力的

このように、現状では完璧とは言い難い「eRemote Mini」とEchoシリーズの連携だが、必要な手続きを済ませてしまえば、本当に声で部屋の家電を操作できるようになる。上記を踏まえると、実用的なのはやはり照明とエアコンのような、単純な操作のみで利用できる家電に限られるのだが、それでもリモコンを使わず、声だけで照明やエアコンのオンオフができるのは、かなりの未来感覚。「Amazon Alexa」アプリ側で「グループ」の設定をすれば、たとえば「『リビング』グループを消して」というだけで、照明とエアコンを同時に消すことだってできる。
「Amazon Alexa」アプリの「スマートホーム」-「リビング」で、一括操作の設定が可能
ちなみに、先ほども言及したように「eRemote Mini」はそもそも、スマートフォンとの連携を意識した学習リモコンなのである。スマホアプリからの操作なら、テレビの操作も簡単にできるし、複数の操作を組み合わせる「マクロ」にも対応している。さらには、特に難しい設定や有料サービスを利用することなく、外出先から家の家電を操作することも可能だ。むしろ、こちらのほうが「スマートホーム」の本領発揮といえるのかもしれない。すでにEchoシリーズを入手した人はもちろん、部屋の中に散らかるリモコン類をスッキリと整理したい人にとっても、「eRemote Mini」はかなり魅力的なガジェットといえるだろう。
文=辻井仁成郎



SHARE

次の記事を読み込んでいます。