天然の機能素材、メリノウールが持つ特徴を活かしたアウトドアウェアから始まったブランド、アイスブレーカー。
これまでのノウハウを駆使して作られるデイリーアイテムは既に人気だが、そのラインナップに、今シーズン、「リアルフリース」なるシリーズが登場した。“リアル”という言葉に込められた意味、そして、その機能の本質。そんな“中身”を知ったなら、もう見た目だけのウェアは着られなくなるはずだ。
これまで何枚着たかわからない、グレーのジップアップパーカ。だけど、袖を通してみると今までのものとはどこか違う。柔らかな生地はドレープ感が美しく、見た目にも上質感が漂う。
そのうえ、触れれば心地良く、暖かいのにムレない。聞けば、よくあるスウェットではなく、保温・透湿性に優れるメリノウールで仕立てた「リアルフリース」なる素材を使っているそうで……。
1994年にニュージーランドで創業したブランド、アイスブレーカー。TシャツやロンTをはじめ、わずか5種類のベーシックウェアからスタートした彼らは、その当初から現在まで、メリノウールのみを使用した服作りに徹している。
一般的な羊種に比べ、メリノ羊という品種は毛の密度が3倍もあり、繊維が非常に細く軽量なのが特徴。それにより、クリンプと呼ばれるウールの縮れが細やかで、保温力につながる“空気の部屋”が多く作られる性質を持つ。
さらに毛の表面は羊の皮脂で水を弾く一方で内側には親水性があり、吸湿性が高いため、真夏に着用して汗をかいてもムレないのだ。そのため、アウトドアシーンではメリノウールを“天然の機能素材”と呼び、ストイックな環境下でこそ重宝されているという。
そんなメリノウールを使用した新シリーズ「リアルフリース」が今季、リリースされた。現在では合成繊維によるものが一般的なフリースは、もともと「羊毛」という意味の言葉。その原点に戻り、メリノウールで仕立てたというわけだ。
一枚でサラッと羽織れば、滑らかな肌触りに驚く。また、風を通さないシェルアウターのインナーに挟むことで、素材が持つ高い保温性と吸湿効果はより実感できるに違いない。さらに、イヤな臭いの原因である雑菌が付着しにくい性質を持っており、抗菌防臭にも優れる。
製品の機能としての“中身”に加え、生産背景という“中身”にもブランドはこだわる。そもそも石油が主原料の合成繊維を使用しないのもサステナビリティを徹底してのこと。
さらにアイスブレーカーは、牧場周辺への環境倫理や、羊の良好な飼育環境が徹底しているかという動物愛護の観点でも合意できる牧場のみとだけ契約している。厳選した牧場との信頼関係に基づく長期的なパートナーシップを結ぶことで最高品質を維持できるのだ。
機能と生産背景というアイスブレーカーの考える、服の“中身”の大切さ。知れば知るほど、この冬、頼ってみたくなる。
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