葉山にいた！インソール作りの凄腕職人。試して実感した”プロの妙技”

毎日もっとも長い時間、足を着ける場所はどこだろうか。自宅の床？ そういう人もいるだろうが、“一箇所”という意味では、靴のインソールだろう。謎かけみたいだけど、これって事実。裏を返せば、その快適化は、オレたちの健康に大きな影響を及ぼすハズなのだ！

「インソールを変えれば、姿勢が変わります。姿勢が変われば、歩き方も変わる。肩はもちろん、実は腰にも相当影響を及ぼすんです」
このように教えてくれたのが、神奈川横須賀市で、葉山からもほど近いのベイロード沿いに診療所・LIFE RESETを開く高岡 淳さんだ。毎日のランニングを欠かさないけど、毎回ヘトヘトで腰が痛く、いろいろガタが来ている中年の入り口に差し掛かった筆者（36歳）なら、格好のサンプルだ。というわけで仕事にかこつけて、1セット作ってもらうことにした。

「だいたいみなさん大きい靴を履いているんです」と用意したスニーカーに最初から入っているインソールを出して図ったら、ベストサイズから3cm近く大きいという結果に衝撃！

とりあえず、今あるスニーカーを利用するとして、インソールを靴のサイズに合わせてカット。土踏まずのパッドを計測して、インソールにパッドを取り付ける。厚みを持たせたいところには、さらに小さくカットしたパッドを張る。表面をサンダーで削り取り、足の裏の接地部分が滑らかにわん曲するように調整。

「体の動きを変えることが一番の目的なんです。今回は右足の蹴り出しを強めないといけないので、右の足を中心にパッドを入れています」
インソールを入れて、歩いて、ちょっと見て、「右足貸して」といった具合に微調整。足の“アーチ”ができて、小指から親指までまんべんなく地に足が付いていることがわかってくる。

「一度インソールを作って、靴を替えてもらって、と何度か来てもらいます。筋力の弱い人は、インソールで徐々に是正して上げていくんですよ。ヘルニアで歩けなかった人が、靴とインソールを替えたことで、スムーズ歩けるようになったというケースもザラです」

確かに、歩き方がちょっと変わった。撮影しているカメラマンが「猫背治ったんじゃない？」と驚くほど、その効果はてきめんだ。このインソールで毎日ランニングすれば、自ずと姿勢と動きが矯正されることは間違いなさそう！

「数カ月に1回見せていただくといいですね。3～4回調整すれば、完璧に足に馴染むはずです」
高岡さんは靴選びの相談にも乗ってくれる。「根本から治してしまうから、商売としてはどうかと思うけどね！」と笑う姿がなんとも頼もしい。気になるインソール製作のお値段は1万5000円／1セットで、後日調整は1回無料だとか。葉山に名医あり。ベイサイドの気持ちいい生活に加え、健康面でもこんなにサポートしてくれるパートナーがいるなんて、葉山ライフがいやはやうらやましすぎる！
撮影＝森カズシゲ