スタイリストとしてだけでなくさまざまな分野で活躍し、オーシャンズ世代の先頭を突っ走る熊谷隆志さん。今回は自身が展開するブランド「ネサーンス」の秋冬コレクションにフォーカス!
「熊谷隆志のお洒落で悪いか!」を最初から読むテーマは「世界の車窓から」。よって150カ国以上旅してきたジャーナリスト、兼高かおるになった気分で世界中の気になるテイストをピックアップした今季。もちろん、そのほとんどは熊谷さんが好きなモノばかりだ。それらを軸に、思わず「新鮮!」と膝を叩いてしまうスタイリングを披露してもらった。
好きなものを軸にミックスするのが熊谷スタイル
Style_01 きれいめセットアップが気分。ベレー帽をアクセントに
「ぜひコートとパンツのセットアップで着てほしい」と語るこちら。その上品な着こなしゆえ足元は革靴といきたいところだが、重くなるのを避けるべくあえてスニーカーを合わせている。さらに、スウェット地のクリーンなタートルで軽さを演出。「とても被りやすい」というベレー帽は、カシラと共同開発したもの。
Style_02 ロングカーディガンを、グランジ風に着こなす
夏は全身で合わせたときもあったお気に入りの白を、秋冬も継続して着る予定。ボトムスは、「11月中旬まではありだと思っています」という短パンを。短パン+ロングカーディガンに、ザ・ノース・フェイス×シュプリームのブーツを取り入れるバランス感はお見事。
Style_03 ジャケットスタイルを、愛するヒョウ柄で
「昔から自分的定番」と語るのはヒョウ柄。聞けば、家のソファーもヒョウ柄というから、その愛着っぷりは相当だ。それをジャケットに投影。そして、インナーにはシンプルに黒のTシャツ。胸に入れた「Te Amo」の文字はスペイン語で「アイ・ラブ・ユー」の意味である。
Style_04 気分は『ブロークバック・マウンテン』? マッチョなウエスタン
ヌバックレザーのコーチジャケットにラングラーのブーツカットデニム。そしてブーツはレッド・ウィングと、ウエスタンな取り合わせで気分は『ブロークバック・マウンテン』? 「ユウイチ トヤマ」とコラボしたサングラスもお気に入り。
厚手&モコモコでほっこり。素材感にも注目の4アイテム!
柔らかいうえに軽い着心地が嬉しいフリースジャケット。同素材を使ったパンツの展開もあり。
メインのデニム生地とは異なる色みを使ったバックポケットがヴィンテージ風な趣。
トレリスパターンを施したニットは、モロッコのベニワレン・ラグを彷彿とさせる。
素材に起用したふわふわのモヘアが、抜群の暖かさと肌触りの良さをもたらしてくれる。
スタイリングのいいスパイスに! ネサーンスの定番4アイテム
プルオーバータイプのミリタリーシャツは、フロントに配した大きなポケットがユニーク。
形はベーシックなベースボールキャップ。しかし使われている生地はウール。オレンジのほか、ベージュ、グレー、ネイビーもラインナップ。
ヴィンテージのツイード生地で仕立てたコート。ロンドンのテーラードのような雰囲気がいい。
毎シーズン色を変えて展開しているネックウォーマー。ネサーンスのロングセラーアイテムのひとつだ。
今シーズンも魅力的なラインナップが並ぶネサーンス。それぞれのアイテムはもちろん、デザイナーである熊谷さんが提案してくれたコーディネイトも、この秋冬の参考になること請け合いである。
熊谷隆志(くまがいたかし)
1970年生まれ。渡仏し、’94年スタイリストとして活動開始。’98年以降はフォトグラファーとしても活躍。東京・原宿にあるセレクトショップCPCMのディレクターを務め、ファッションからクラフト、ワークショップなどのモノ・コトを通して、本質的なウェルビーイングを提案している。東京・駒沢ではパーソナルショップ、ウィンダンシーを運営。また、グリーンライフにも造詣が深く、趣味はサーフィン。
熊谷隆志=写真