ただくつろぐだけでも気持ち良い時間を過ごせ、サーフィンをした瞬間に人生は大きく変わってしまう。ひとつのシーンからそんな海の魅力を発見していくコラム 。
SEAWARD TRIP!
「SEAWARD TRIP」を最初から読む今回は「The Brando Island」
不朽の名作『ゴッドファーザー』ではマフィアの老ボスを、『地獄の黙示録』では狂った軍人を演じたマーロン・ブランド。2004年に亡くなるまでハリウッドの名優として活躍する一方、彼は南太平洋のタヒチにある島を所有していた。
タヒチ本島の北西およそ50㎞にあるテティアロアがそれ。12の小島が澄みわたるラグーンを囲む環礁である。買い取った最大の理由は、その美しさ。そしてテティアロアの文化と自然、希少な生態系の保護にある。
訪れれば、その絶景に声を失う。ビーチの砂は白く、ターコイズブルーの海は鮮やかに輝き、絵葉書のイメージそのものの景色のなかには、仏領ポリネシアで最大といわれる野鳥の生息地がある。
そして’14年、エコロジカルなホテル「ザ・ブランド」が誕生。エネルギーは太陽とバイオでまかない、深海から汲み上げた冷水の低温度を利用した空調システムを採用するなど、島の自然に配慮したリゾートである。
タヒチへは日本から週2便の直行便が就航。約11時間のフライトで首都パベーテに着く。また、テティアロア環礁には専用飛行場があり、パペーテの空港から約20分の飛行時間で到着する。ホテルはタヒチの王族が保養地としていた小島にあり、このオールインクルーシブなリゾートへ各国からVIPが訪れる。目の前のプライベートビーチにはマンタが優雅に泳ぎ、ウミガメや野鳥が訪れるといった体験は、まさしくテティアロアならではのもの。
高橋賢勇=写真
小山内 隆=文・写真セレクト