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2017.09.23

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毎日が鮮やかに一変!? 色彩検定とオッサン、まさかの好相性だった

年齢を重ねると、新しく何かを身に着けることが億劫になってくる。しかし、好奇心を失えば、視野や可能性は広がらない。あえて未知なるジャンルに挑むことは、人生をより豊かなものにしてくれるはずだ。そこで、「資格」に目を向けてみてはどうだろう。オッサンの日常に彩りや潤いを与え、さらには将来にも役立つ。“新境地”を切り拓くべく、資格の世界を覗いてみよう。

■オッサンの人生を楽しく彩ってくれる資格はなんだ?

さて、問題はどの資格を選ぶか。「行政書士」「司法書士」はちょっとカタいし専門的すぎる。「ファイナンシャルプランナー」など“お金系”もアリか、いや、もっと趣味寄りのほうが楽しく学べるかも……。
アレコレ調べているうち目に留まったのは、「色彩検定」。いいかもしれない。ファッションやインテリアにも生かせそうだし、色彩に詳しくなれば街の景色も違って見えそうだ。筆者のようなオッサン(36歳)の干からびた灰色の毎日に、文字通り“色”を与えてくれるかも。
さっそく訪ねたのは、色彩活用研究所。色彩検定を始め、色にまつわるさまざまな検定講座を実施している。
まず、そもそもどんな資格なのか伺ってみた。
 
「色彩検定は、色に関する資格の中でも最もメジャーなものの一つです。3級から1級まで分かれていて、3級では色の基本、日常の生活における色の効果、性質などの知識が問われます。2級では配色イメージや、ファッション、インテリア、グラフィックデザイン、プロダクト、ビジュアルデザインにおける色の使われ方や考え方。そして、1級は色彩の文化や調和論、環境色彩といった、より専門的な世界になってきます」(色彩活用研究所・桑野恵美さん)
実に奥が深い。単に色の種類や特質を覚えるだけの世界ではないようだ。なお、1級は合格率29.77%(2016年度)と、なかなかの難関である。

「1級は1年に1回しか試験がありませんし、確かに簡単ではないですね。ゲーテやニュートンの時代から、どんな色同士が調和すると考えられてきたのか、歴史を追ってまとめられた配色の理論を学ぶ必要があります」
難しそうだが、ニュートンの頃から端を発する色の歴史を学ぶのはロマンがありそうだ。
色彩活用研究所のオリジナルテキスト。1級の問題集だけで2冊にも及ぶ
では、オッサンがこの資格を取った場合、人生にどんな愉しみが生まれるのだろうか?
「たとえば、インテリアの色の選び方が変わります。色はその色調によってさまざまなイメージを持っていて、例えば女性的な印象が強いピンクのなかでも、色調が異なると『かわいらしい』から『大人っぽい』『華やか』まで、多種多様な印象を抱かせます。そのため、男性好みのクラシックな部屋にも応用が可能で、重厚なイメージを持つ色調を軸に配色すれば嫌味のない部屋に仕上がります。このように、センスに頼るだけではなく理論に沿って組み立てることができるようになるんです」
同じ赤でも、色調によって印象はガラリと変わる
「さらに、ファッションにももちろん影響を及ぼします。誰でもコーディネイトに使う色は決まっている場合が多い。でも配色方法を知ることで、これまでは挑戦してこなかった色を採り入れ、新しいスタイルの扉を開くきっかけになるはずです。
また、色彩文化や美術史を知ることで、美術館に行くのがより楽しくなると思います。色彩に注目すると、絵の見方も変わりますよ。この画家はこういう気持ちで書いたんだなとか、この時代に新しい色の絵の具が生まれたんだなとか、作品に込められた背景をうかがい知ることができるようになります」
インテリア、ファッション、そして美術館巡りまで。想像以上に汎用性が高い。色を知ると、こんなにも世界が広がるのか……!
そして、もちろん「仕事」にも役立つ。受講生はデザイナーやカラーコーディネイトの講師として独立を目指す人が多いというが、それ以外にも「プレゼン資料の説得力を増す色の使い方」など、身近なビジネススキルに落とし込めるのが魅力だ。
というわけで、俄然興味が湧いてきた。後編では、実際の講座内容についてレポートしたい。
取材・文/榎並紀行(やじろべえ)
【取材協力】
色彩活用研究所
http://iro-labo.com/


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