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■講義3時限目:餌 〜魚の好みを知るべし〜

[左]口から針を入れ、頭側に貫き通したイワシ。針先は少し出るにとどまるように。[右]なるべく針が見えないようにつけた練り餌。
いくら高級な餌を使おうと、それが対象魚の好みにあっていなければ意味がない。どんな餌を食べているのかの下調べ、現地での観察が重要です。またつけ方にもコツがあって、外からなるべく針が見えないようにするのが基本。
魚に、いかに違和感を与えないようにするかがポイントです。

■講義4時限目:棚(タナ)〜魚に届く深さを意識すべし〜

釣りでは、タナといって魚がいる深さ・層を意識することがすごく大事。魚の種類や、その時々の行動によって底層、中層、上層と釣れる深さはある程度決まっているんです。
釣り堀の貸し竿についている仕掛けなら、だいたいの調整はされているけれど、条件によっては設定を変えた方が良い場合もある。
なお、狙うタナは基本的にはウキの位置で調整する。ウキから下に垂れる糸を長くすれば、より深いタナが狙え、ウキから下を短くすればより浅いタナを狙えます。
あらかじめ自分の指先から肘までの長さ、肩までの長さなどを測っておくべし
その際、元の位置に戻せるように自分の腕を定規代わりにして、どれだけずらしたのか覚えておくと便利だね。
なお、海上釣り堀では特に深さと同時に、水の流れる方向も重要。ここではたいていの魚は、基本的に水の流れてくる方向に顔を向けて泳いでいる。だから魚に対して潮上(しおがみ)と呼ばれる流れの上手から餌を流せるような位置取り、釣り方をするのがベター。また、魚は日差しの強い日には桟橋の下など、日陰になっている部分に集まることも覚えておいて。
左上に頭を向ける2匹の鯛。潮は左上から流れていることを示しているのだ
餌も同じだけど、いかに魚の気持ちになって考えられるかが大事。釣りは魚とのコミニュケーションでもあるのです。

■特別講義:“釣れる人”になるための究極テクニック

—先生! 魚がかかった時の合わせ方とか、やりとりのテクニックとかは教えてくれないんですか?
それを説明しだしたらキリがないんだよね。だから究極にしてもっとも簡単な「釣るためのテクニック」を最後にお伝えして終わりとしましょう。
それは、ズバリ、釣れている人のマネをするってこと。
盗み見てもいいけど、ちゃんと聞ければそれに越したことはないですよね。そのためには、釣り場に入ったときから周りの人に挨拶をするなど、マナーある行動で好印象を与えておくことが大事。当然、相手の反応を見て迷惑がられているようならすぐ引きましょう。
釣りの上達は、魚と人、それぞれのコミュニケーションにあるということを心にとめておいてください。では、良い釣りを!
宇都宮雅之=取材・文
うぬまいちろう=写真
<プロフィール>
うぬまいちろう
1964年生まれ。メインワークのイラストレーションの制作のほか、各誌で絵と文と写真による連載、執筆を掲載中。サンヨーナイロン・フィールドテスター。スカイパーフェクTV、つりビジョンの『トラウトキング』。解説&司会進行として出演中。クルマに船舶などの乗り物全般、釣り、サカナ料理、漁業、アウトドア、そして昭和B級サブカルチャーには特に造詣が深い。釣り関連書籍多数。近著『漁港食堂』(オークラ出版)も好評。

<取材協力>
海上イケス釣堀「J’sFishing」
住所:神奈川県三浦市三崎町城ヶ島650-70
電話番号:046-854-9891
営業時間:9:00〜16:00
定休日:火曜(祝祭日の場合は翌水曜) ※不定期な休業日アリ。HPなどで確認のこと
料金例:体験コース(1時間)入場料540円+遊漁料(竿1本につき)2700円ほか、釣り放題コースなどアリ詳細は公式サイトにて確認。
http://js-fishing.com


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