抜けにくい疲労感やしつこく残る二日酔いの辛さなど……年齢を重ねるにつれレベルアップするオッサンの不調。エナジードリンクやサプリ類に頼るのも良いが、よりスマートに体調を整えたいなら、ハーブのチカラを活用してみてはいかがだろう?
実はオッサンにこそ勧めたい、ハーブのチカラとは?ハーブ(メディカルハーブ)というと、女性向けというイメージを抱く人も多いだろう。また、オーガニックな見た目から、エナジードリンクやサプリ類のように“積極的”な効果を期待できないと思っている人も多いはず。しかし、ハーブの中に含まれている成分には、エナジードリンクやサプリ類と共通するものも多く、目的に合わせてハーブを効果的に用いれば、男性にとっても強力な味方となってくれるのだ。今回は、その一例として、まだまだ続く厳しい残暑を乗り切るために試してほしい、オッサン向けハーブを紹介しよう。
オッサンのためのハーブ その1疲労回復のほか、二日酔い解消にも! ──ハイビスカス(Hibiscus)ハワイの州花としても知られる、フラダンサーが髪に差している、いかにも南国を感じさせる花。ハーブとして用いる場合は、花びらではなく萼(がく/花弁を支える部分)を用いる。
いちばんの特徴は、植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸)を豊富に含んでいる点だろう。エネルギー代謝を促進し、肉体疲労や眼精疲労の回復効果が期待できる。また、カリウムも含まれており、こちらは利尿作用があるため、むくみや二日酔いの解消も促してくれる。まさに、仕事や接待でお疲れ気味なオッサン向けのハーブなのだ。
オッサンのためのハーブ その2“爆弾級”の抗酸化作用!? ストレスが多いオッサンにも──ローズヒップ(Rose hip)ローズヒップとは、バラの実のこと。比較的有名なハーブなので、名前を知っている人も多いだろう。
ローズヒップの特徴は、なんといってもレモンの20~40倍ともいわれるほど、天然のビタミンCが豊富に含まれている点。ローズヒップの実の形状から「ビタミンCの爆弾」と呼ばれるほど。ビタミンCは、いうまでもなく免疫力アップや抗酸化作用が期待できる代表的なビタミン。ストレスが多い人ほど摂取する必要があるとされており、豊富に含まれているローズヒップは、これまたオッサンには最適なハーブといえる。生活習慣病の予防にも効果的といわれるリコピンが含まれている点も魅力だ。
オッサンにオススメしたい、ハーブの嗜み方ミックスすれば相乗効果up! お酒との相性もバツグンなハイビスカス&ローズヒップハイビスカスやローズヒップの嗜み方といえば、やはりハーブティーにするのが王道だろう。お互いの作用を補い合うクエン酸とビタミンCが含まれていることから、ブレンドされるのが一般的。比較的大きな店舗なら、スーパーでもハイビスカス&ローズヒップのブレンドティーのティーバッグが購入できる。
ルビーのような紅色になるこのブレンド・ハーブの味わいは、見た目通りに、やや渋みのある力強い酸味が特徴的。冷やしても美味しいので、男性向けハーブティーの入門編としては適しているといえるだろう。仕事の休憩時や、朝晩のティータイムに摂り入れれば、疲労回復や二日酔いやむくみの解消につながり、スッキリとした毎日を送る助けになるはず。ビタミンCのチカラで、美肌効果も期待できる。
男らしい嗜み方を追求したい人であれば、少し濃い目に淹れたハイビスカス&ローズヒップティーのウォッカor焼酎割りもオススメしたいところ。アセロラ割りよりも渋みが強い、ある意味男らしいカクテルが出来上がる。
よりお手軽かつ本格的にハーブとアルコールのマリアージュを愉しみたいなら、ウォッカや焼酎などにハーブを直接漬け込む手もある。種類にもよるが、ハーブの成分はアルコールで抽出することにより、水では溶けない脂溶性の成分も抽出されるため、より効果が上がるともいわれているのだ。長期保存を前提とするなら40度以上のアルコールがオススメだが、保存を気にしないなら25度のキンミヤ焼酎でも十分。ハイビスカスやローズヒップなら、一晩程度漬け込むだけでも紅色のハーブ酒が出来上がる。200CCの焼酎またはウォッカにつき、ハーブティーバッグ1袋でOKだ。
こちらは、やはりソーダ割で飲んでほしい。そのまま割れば、甘みを抑えたバイスサワーのような味わいを楽しむことができる。ここに少量のシロップと一掴み弱の生ミントを加えれば、お洒落なモヒート風なアレンジの完成。ミントが加わることで一段と爽やかで飲み口が良くなるばかりか、消化器の調子を整えたり、集中力アップやリフレッシュの効果も期待できる。
残暑の体調管理だけでなく、一年を通じてオッサンの助けとなってくれるハイビスカス&ローズヒップ。常備ハーブとして、覚えておくべき存在なのだ。
ハーブ佐々木=文 ばんばりえ(メディカルハーブ・コーディネーター)=監修・協力