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2017.05.24

ファッション

日本上陸を果たした「シャイノラ」、デトロイトブランドという矜持

いち早くレポートする、「シャイノラ」の魅力とは?

2011年創業。いわゆる新興ブランドでありながら、その名は瞬く間に世界へ広がっている。そしてこの春、満を持して日本初上陸を果たすのがこの「シャイノラ」だ。腕時計を筆頭に、レザーグッズやジャーナル、遊び道具と幅広いプロダクトが集まる。"日本一の目利き"である伊勢丹を唸らせる、デトロイトブランドとしての確かな矜持がここにある。
一冊の写真集がある。『デトロイト1968』。写真家エンリコ・ナタリーが1960年代にアメリカのデトロイトで撮影したモノクロームの写真集だ。
デトロイトは戦後のアメリカの繁栄を牽引した自動車産業の中心地であり、黄金期の人口は200万人以上にも上ったという。写真集にもミッドセンチュリーのモダンな建築デザインや当時の洗練されたファッションをはじめ、開放感と活気ある街の空気感やそこで暮らす人々の息遣いが伝わってくる。
だが僕らは知っている。その数年後アメリカは大きく変わってしまうことを。そして今、その輝きだけではなく、自由の精神さえも消え去ろうとしている。
写し撮られた希望を過去ではなく、未来にするために。この写真集にインスパイアされ、2011年にデトロイトで創業したのがシャイノラだ。アメリカ製造業の再興を掲げ、丈夫で長持ちする製品を提供するという理念に基づき、デザインブランドとしてさまざまなアイテムを手掛ける。そこでまず着目したのが時計だ。
エルジンやウォルサム、グリュエンなどアメリカにはかつて多くの時計ブランドがあった。だが現存するほとんどはブランド名のみを残した国外生産になってしまった。そこでアメリカのクラフトマンシップの象徴として時計生産を復活させ、アメリカのモノづくりの故郷ともいえるデトロイトを拠点に選んだのである。
もちろんデトロイトに時計製造の歴史はなく、技術の礎もない。そこで本場スイスのクオーツムーブメント会社、ロンダ社から技術チームを招き、徹底した社員研修と品質管理を行った。こうして技術者を育成し、今や自社工場では250人以上の雇用を創出している。
アメリカではポートランドにおけるエフォートレスな社会実践のように、新たなライフスタイルへの取り組みが進む。シャイノラが目指すのは、モノづくりを通した文化の再生。雇用提供やアメリカのクラフトマンシップの支援、シャイノラホテルの建造などデトロイト市再興に向けて魅力的な環境整備を行う。だからこそ近年街には注目が集まり、NYやLAに移住していたデトロイト出身者が、他の街で身に付けたキャリアを提げて地元に戻り、レストランや新たなビジネスを始める傾向も著しい。
そんなデトロイトを舞台にした映画『グラン・トリノ』のエンドロールは1台のグラン・トリノが走り去ったあと、しばらくして導かれるようにクルマが大挙する。シャイノラの起こす大きなうねりはまさにそのグラン・トリノなのだ

使うほど風合いを増す、時を超越した機能美デザイン

[1]SSケース、41㎜径、クオーツ。8万3000円、[2]SS(ローズゴールドPVD加工)ケース、41㎜径、クオーツ。9万円、[3・5]SSケース、36㎜径、クオーツ。各8万3000円、[4]SSケース、47㎜径、クオーツ。11万3000円/すべてシャイノラ(ブランドニュース 03-3797-3673)
古き佳きアメリカンデザインを象徴する、壁掛けクロックにも似たシンプルで視認性の高いフェイスデザインをベースに、2針+スモールセコンドとクロノグラフの2種類を揃える。スイス製ムーブメントを内蔵して、組み立ては自社で行なう。また自社製を謳う風合いのあるレザーストラップは使うほどにその味わいが増す。

レザーからメイド・イン・アメリカにこだわる

[1]H43×W30.5×D14㎝。14万9000円、[2]H33×W48.3×D14㎝。13万4000円、[3]H9.5×W19.5×D2㎝。5万6000円、[4]H9×W10.5×D1.3㎝。3万4000円、[5]H7.6×W10.2×D0.6㎝。1万9000円/すべてシャイノラ(ブランドニュース 03-3797-3673)
デイパック、トートバッグ、ウォレット、カードケース……。豊富なアイテムを揃えるレザー製品はすべて米国内でデザイン、裁断、縫製が行われる。用いられている上質なレザーは国内でも有数のタンナーの手によるものだ。

アメリカンステーショナリーへの憧れが蘇る

[小]3800円、[大]4100円/すべてシャイノラ(ブランドニュース 03-3797-3673)
ジャーナルと名付けられた手帳は、アメリカの小学校で使われていた用紙を使い鮮やかなカラーリングでラインナップされている。写真のように、好きな文字を好きな場所にレタリングを刻印するサービス(無料)もぜひ活用したい。
 

ベースボールこそアメリカンスピリット

バット2万2500円、グローブ6万1500円/ともにシャイノラ(ブランドニュース 03-3797-3673)
ギフトアイテムからスポーグッズまで、さまざまなハンドクラフト製品のキュレートも行うシャイノラ。アメリカの美しきクラフトマンシップを紹介している。国内のメーカーと共作した写真のレザーグローブ&木製バットは、モダンなカラーリングがセンス良し。

シャイノラのモノづくり


本拠地デトロイトにあるシャイノラのフラッグシップショップ。

時計製造には多岐にわたる時計製造工程を要し、その多くは熟練の職人による手作業で行われる。

ジャーナルも人気で、徹底した品質管理を経て、アメリカから世界へ届けられる。

腕時計のレザーストラップ然り、レザーアイテムの革に米国最古の歴史を誇るタンナーが仕上げたものを使用する。

NEWS! 「この春、伊勢丹新宿でシャイノラの世界観を堪能しよう!」

来たる5月31日(水)、伊勢丹新宿メンズ館7階に国内初となるシャイノラのショップがオープン。見所は時計のケースとストラップを自由に組み合わせる「ウィラードウォッチ」サービスや、手帳への刻印サービスだ。また、同日〜6月6日(火)には期間限定ポップアップストアが伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージにて開催される。本社のレザー職人による製作実演、稀少なコインをフェイスに使った時計やメジャーリーグ初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソンにオマージュを捧げて作られた時計といった限定アイテムの販売が行われる。ぜひ足を運んで見よう。
[問い合わせ]
ブランドニュース
03-3797-3673
星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング 柴田 充=文

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