「ナイキ名作スニーカー列伝」とは……’90年代のスニーカーブームを語るうえで、欠かせない存在がある。
社会現象にまでなったナイキの「エア マックス」だ。
何故エア マックスは、数あるスニーカーの中で特別な存在になり得たのか。
まずは導入編として“クラシック”と呼ぶに相応しい5つの名作を振り返るとともに、エア マックスシリーズの魅力を紐解いていこう。
エア マックス 1(1987年)
ヒントはパリの美術館。エアの“見える化”
エア マックスの歴史は「ビジブル エア」と呼ばれる独自のクッショニングシステムなしには語れない。これが他のスニーカーと一線を画す、エア マックス独自の進化と密接に関わっている。
また、エア マックスの生みの親であるデザイナー、ティンカー・ハットフィールドによるフットウェア革命もここから始まった。
ビジブル エアとは、ナイキが1978年に開発したクッショニングシステム「ナイキ エア」をデザインとして可視化させたもの。そして、このシステムを初めて導入したのが、1987年に登場したランニングシューズ「エア マックス 1」であった。
ちなみにデザインのヒントとなったのは、パリにあるポンピドゥー・センター。構造や設備、動線などが外部にむき出しなった特徴から着想を得たという逸話も興味深い。
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