2021.04.12
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ゼニス公認のヴィンテージ「エル・プリメロ」が買える新プロジェクトの全貌

味の出たダイヤル。インダイヤルの色が違うってことは……。詳細は後ほど!

ゼニスにとって世界5番目の直営店である「ゼニス ブティック銀座」が、2020年10月に移転リニューアルした。

ブランドカラーのネイビーとグレーを基調にした店内には、「デファイ」「クロノマスター」「パイロット」「エリート」の主要コレクションのほか、最新作から限定モデルまで並んでいる。

さらに、ブティックの奥にあるVIPルームには、とても稀少なヴィンテージが。

そう、これこそが世界に先駆けて銀座から発信するゼニスの新プロジェクト、「ゼニス アイコン」なのだ。

 

日本からの提案で始まった、ブランド公認のヴィンテージ販売

ブティックマネージャーの村田祐一さんは「ゼニス アイコン」がスタートした経緯についてにこう話してくれた。

「オープン当初、ディスプレイ用にヴィンテージウォッチを飾っていたんです。そうしたところ、『あれは買えるんでしょうか?』といった問い合わせがとても多くて。その声をスイスに届けたら、ヴィンテージを販売してみようと話が進んで、このプロジェクトが始まったんです」。

ヴィンテージウォッチが並ぶVIPルームのショーケース。

つまり、このブティックでは、ブランド公認のヴィンテージウォッチが購入できるというわけだ。にしても、どんな個体が並ぶのか?

「店頭に並べる時計はすべてスイス本国が選び抜いたものです。そして、販売する時計には『パスポート』と呼ばれる書類を付属します。そこには修理履歴などさまざまな情報が記載できるようになっていて、メンテナンスはすべてスイスで対応しています」。

時計の来歴をすべて記した「パスポート」だけでも見応え満点。

そうなると、俄然気になってくるのは時計の選定基準だ。

「今のところ『エル・プリメロ』の最初期にあたるムーブメントが搭載された1969年から1970年代初頭までの時計に絞っています。

私たちはヴィンテージを“歴史的な遺産”として捉えていて、とりわけ『エル・プリメロ』が誕生した時代のクロノグラフは重要なんですよね」。

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「エル・プリメロ」初期ムーブメントの価値をおさらい

ゼニスが誇る史上初の自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメント「エル・プリメロ」。その価値をおさらいするため、今一度、歴史を紐解いておこう。

振り返れば、1969年は時計業界にとって重要な2つの“誕生”があった。

ひとつはクオーツ時計。もうひとつは、自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメントである。

1969年に登場した「エル・プリメロ」の最初期のムーブメントCal.3019PHC。

同年に登場した3つの自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメントのなかで、ゼニスの「エル・プリメロ」が競合他社に勝っていた点はずばり、毎時3万6000振動というハイビートを実現したことにある。

精度における圧倒的な優位性によって「エル・プリメロ」は多くのブランドに提供され、のちに伝説をたくさん残していく。

ただし、ほかのメーカー同様、1970年代はゼニスにとっても厳しい時代で、「エル・プリメロ」は1975年から生産中止。復活するまで10年の歳月を必要とした。

上司に逆らいながら「エル・プリメロ」を製造するために必要な技術計画書と道具を集め、屋根裏部屋に隠すことでブランド存亡の危機を救ったゼニス社の時計職人シャルル・ベルモ。

「ゼニス アイコン」で扱う初期の「エル・プリメロ」はつまり、この時期のものとなる。

スペックの良さだけでなく、製造期間が極端に短いことから稀少性が高く、歴史的な観点から見ても貴重な時計だといえるのだ。

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エイジングによる個体差が魅力のヴィンテージ

「ゼニス アイコン」として選ばれた貴重なヴィンテージウォッチの一部を紹介していこう。

趣深い文字盤が楽しめる1本。「A385」SSケース、37mm径、自動巻き。161万5000円/ゼニス 03-3575-5861

1本目は「A385」初代オリジナル。今年登場した復刻(写真下)と比較すると……。

こちらが「A385」の復刻。再現性がめちゃくちゃ高い。「クロノマスター リバイバル A385」SSケース、37mm径、自動巻き。93万5000円/ゼニス 03-3575-5861

焼けたブラウンのダイヤルが風格たっぷり。ヴィンテージ特有のエイジングによって魅力が増している。この個体は「エル・プリメロ」が誕生した1969~1971年頃に製造されたものだという。

37mmのケース径は昨今の小径モデルのトレンドにもフィットするのが嬉しい。

 

次に紹介するのは、同年代に製造された「A386」。主な特徴として挙がるのは、38mm径のラウンド型ケースに備わる、トーンが異なる3つのサブダイヤルだ。

人気・稀少性ともに高い貴重なファーストモデル。3つのインダイヤルの色が特徴。本記事の一番上の写真は、こちらである。「A386」SSケース、38mm径、自動巻き。323万5000円/ゼニス 03-3575-5861

ちなみに復刻モデル(写真下)では、ダイヤルに「A386」のプロトタイプから踏襲したブルーグラデーションを取り入れている。

2021年4月1日に開設された公式ECの限定モデル。「クロノマスター リバイバル マニュファクチュール エディション」SSケース、38mm径、自動巻き。103万4000円/ゼニス 03-3575-5861

このブルーグラデーションは、ゼニス社の時計職人シャルル・ベルモが屋根裏に隠していた文字盤へのオマージュとのこと。こういうストーリーもたまらない。

 

村田さんは「ゼニス アイコン」の展開に早くも手応えを感じているという。

「ヴィンテージを扱うことで、いい相乗効果が生まれているんですよね。たとえば、こうやって見比べていただいくこともできますし、『エル・プリメロ』の歴史的な背景を説明することでブランドへの理解を深めていただけますし。

在庫は非常に少ないのですが、いい個体が見つかり次第、今後も入荷する予定です」。

時代を超えて愛される「エル・プリメロ」の世界に浸れるヴィンテージウォッチ。実際に手にとるとわかる唯一無二の味わいをぜひブティックで体験してほしい。

ゼニス ブティック銀座
東京都中央区銀座6-7-16

03-3575-5861

営業:12:00~20:00(日曜11:00~19:00)
第2水曜定休


www.zenith-watches.com/ja_jp

 
【問い合わせ】
ゼニス 03-3575-5861
 
 
鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=編集・文
# ゼニス# ヴィンテージウォッチ# 腕時計
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