ニューノーマルな時代の「大人カジュアル」ガイドブック Vol.51
2020.10.27
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すたれない渋さと格好良さ。ヘリテージへのオマージュ&復刻系の腕時計

機械式の時計が登場して数世紀。その長い時間をかけて人類の叡智が蓄積され、現在の時計が形成された。

復刻デザインやヘリテージへのオマージュを捧げた時計は、そんな長い歴史とのコネクションとなりうるだろう。

 

連綿と受け継がれるアヴィエーターウォッチの精神を

歴史との懸け橋になる、ヘリテージへのオマージュ&復刻デザインの腕時計
K18WGケース、42mm径、自動巻き。562万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)

PATEK PHILIPPE
パテック フィリップ/カラトラバ・パイロット・トラベルタイム Ref.5524

1930年代、パテック フィリップが初めて24のタイムゾーンを示すワールドタイムウォッチを製作。その後、2本の時針でデュアル・タイムを示す機構を開発し、’96年にはケース側面の二つのプッシャーによって異なる二つの時針をそれぞれ前進、後退できる特許技術を取得した。

これを進化させたキャリバーを収めた本作は、そんな同社のアヴィエーターウォッチの系譜を継ぐ。夜光塗料が塗布されたインデックスと針、ローカルタイムとホームタイムの昼夜表示など、実用性を追求した。

 

アラームの歴史を進化させた最新のメモボックス

世界限定250本。SSケース、40mm径、自動巻き。168万円/ジャガー・ルクルト 0120-79-1833

JAEGER-LECOULTRE
ジャガー・ルクルト/マスター・コントロール・メモボックス・タイマー

ハイコンプリケーションのミニッツ・リピーターや日常使いできるアラーム機能など、機械式時計において美しい音色を鳴らすのは、ジャガー・ルクルトが得意とするところ。そんなアラーム機能を搭載した1950年代初頭初出の「メモボックス」には、ファンも多い。

その遺産を進化させた本作では、設定時刻を告げる従来のそれに加え、設定した経過時間後に音を鳴らすカウントダウンタイマー機能も付与した。オープンケースバックにより、ペリフェラルゴングを打つハンマーの動きも観賞できる。

 

本格ウォッチメイキングへの道筋をつけた初号機の現代版

右は1975年に100人の顧客へのギフトとして贈られた「ブルガリ ローマ」ウォッチ。イエローゴールドケースとデジタル表示を組み合わせたセンスが好評で、以後の時計作りへの引き金に。SS(ブラックDLC加工)ケース、41mm径、自動巻き。45万5000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン 03-6362-0100)

BVLGARI
ブルガリ/ブルガリ・ブルガリ

今や、技術およびデザインの両面から時計界を牽引する存在となったブルガリ。1977年に初の時計コレクションとして生まれた「ブルガリ・ブルガリ」は、古代ローマ建築に基づくラウンドケースにブランド名が刻まれたベゼルを備える洗練されたデザインで一躍アイコンに。

その伝統をストレートに受け継ぐ現行モデルは、ブラックDLC加工が施されたSSケースに、メッシュのラバーストラップを備えたアーバンな佇まいが魅力。普遍的な美を端正にまとめ上げるセンスこそ、世界が認めるメゾンの力量。

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先進的な姿勢に通じる歴史的モデルを完全復刻

世界限定1957本。SSケース、37mm径、自動巻き。19万円/スウォッチ グループ ジャパン(ラドー 03-6254-7330)

RADO
ラドー/ゴールデンホース オートマティック 1957 リミテッドエディション

1917年に創業したラドーが、世界的なウォッチブランドとしての足がかりを得ることができたモデルが、’57年初出の「ゴールデン ホース」だ。本作はそれを現代に蘇らせた復刻モデル。

当時のデザインを踏襲した2匹のタツノオトシゴマークやドーム型風防、ライスブレスといったように、その復刻純度はきわめて高い。また、ハイテクセラミックスを自在に操るフロンティアとして一目置かれる同社だけあって、カラーダイヤルや最長80時間のロングパワーリザーブなど、随所に先進性も感じられる。

 

マッシブな造形でモダンになった名作ラグジュアリーウォッチ

右はK18YGベゼルにSSケースのコンビ使いがエレガントな1975年モデル。クオーツキャリバーの特徴でもあるスリムさもシャープなデザインに還元された。SSケース、42mm径、自動巻き。124万円/ジラール・ペルゴ(ソーウインド ジャパン 03-5211-1791)

GIRARD-PERREGAUX
ジラール・ペルゴ/ロレアート 42mm

1960年代よりクオーツムーブメントの開発を自社で行っていたジラール・ペルゴ。時代を先駆ける高精度ムーブメントを積んだ意欲作として、’75年に登場したのが「ロレアート」だ。

造形美にも注目が集まり、その後は数々の機構を搭載する看板モデルに成長。2010年代に一時姿を消すが、’17年にて主力コレクションとして復活を遂げた。サテンとポリッシュが磨き分けられた立体的なケースやクル・ド・パリ装飾のダイヤルはさすがの高品質。

今一度、先進技術が投入され、ラグジュアリーウォッチとして地位を確立させている。

 

※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール、K18=18金、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド

髙村将司=文

# ジャガー・ルクルト# ジラール・ペルゴ# パテック フィリップ# ブルガリ# ラドー# 腕時計
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