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2020.07.09

時計

普通に見えて普通じゃない。34mm径「ロイヤル オーク」が起こすサイズ革命

先日、アーカイブを現代に蘇らせるプロジェクトが始まったばかりのオーデマ ピゲから、看板モデル「ロイヤル オーク 」の新作がリリースされた。
それは、パッと見では気付かないが着けたら確実に感動する34mm径となっている。わずかな“サイズの違い”の真髄とは、いかに?

オーデマ ピゲが考えるサイズの最適解

記念すべき「ロイヤル オーク」のファーストモデルRef.15402ST。優雅な雰囲気を醸す2針にも注目したい。
記念すべき「ロイヤル オーク」のファーストモデルRef.5402ST。サイズは、当時としては大きな39mm径だ。
機械式時計の価値観を一変させた“クォーツショック”の最中であった1972年。「かつてないステンレススチール製の高級スポーツウォッチ」というコンセプトから「ロイヤル オーク」は誕生した。
ビスで固定した象徴的な8角形のベゼル、快適さを求めた一体型のブレスレット、タペストリー模様のブルーダイヤルなど、奇才ジェラルド・ジェンタが考案した革新的なデザインは当時、物議を醸しながらも業界に大きなインパクトを与えた。
それから50年近い歳月が経ち、アヴァンギャルドの象徴であった「ロイヤル オーク」が“高級時計のスタンダード”へと成長したことは周知の事実だ。
ジェラルド・ジェンタの提案がユニークだったのは、デザインの側面ばかりでない。
オーデマ ピゲの2020新作から「ロイヤル オーク 」の最新モデル
ジェラルド・ジェンタがデザインしたオクタゴンケースは34mm径の新作でもちろん継承。
好事家の間では“ジャンボ”の愛称で親しまれる「ロイヤル オーク」のファーストモデルは、当時としては非常に大きな39mmのケース径であったことも特徴だ。
時計ブランドにとって“サイズの設定”は重要なポイントだ。ここでの舵取りひとつで印象は大きく変わるし、セールスにももちろん影響が出る。この点においてもオーデマ ピゲはいつの時代も変わらず、先見性を備えた正解を導き出してきた。
2019年にモデルチェンジした41mm径の「ロイヤル オーク オートマティック」。前作よりもわずかにケースの厚みが増している。
2019年にモデルチェンジした41mm径の「ロイヤル オーク オートマティック」。前作よりもわずかにケースの厚みが増している。
現在では41mm径の「ロイヤル オーク オートマティック」を中心にさまざまな派生モデルが登場し、圧倒的な人気とともに市場を賑わしている。
そこに今年、ギュッと小ぶりになった34mm径が仲間入りしたのである。


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