2020.07.01
WATCH

世界に誇るGショック「フロッグマン」が示す、ダイバーズウォッチの新境地

「丘ダイバーのためのダイバーズウォッチ」とは……

ダイバーズウォッチは、その名の通りダイビングを目的に生まれた。だが今や多くのダイバーが潜水中に使っているのはダイブコンピュータであり、時計はそのバックアップにすぎない。

しかしそれに異を唱えるダイバーズもある。日本が世界に誇るカシオのGショック「フロッグマン」だ。

現行の「GWF-1000-1JF」SS/樹脂ケース、タフソーラー、58.3×52.8mm径。6万8000円/Gショック(カシオ計算機 03-5334-4869)

誕生から四半世紀以上を経て、さらにタフに、機能も先鋭化し進化を遂げている。そんなユニークダイバーズの限界知らずな魅力に潜行してみよう。

 

フロッグマンとは何か?

圧倒的なタフネスを誇るGショックの中でも、特に防錆や防塵、防泥など特殊用途に特化したラインに「マスターオブG」がある。

陸海空それぞれのカテゴリーごとにペットネームを持ち、その語尾からマン・シリーズと呼ばれている。シリーズ第一弾として1993年に誕生したのが「フロッグマン」だ。

初代モデル「DW-6300」(1993年発売)。初代には今やお馴染みの「FROGMAN」の文字がない。

フロッグマンとは軍事活動を行う水中工作員を意味し、Gショック初のISO規格に準拠した200m防水性能に、潜水艦のハッチをイメージした大径ケースを採用。さらに手首の動きを妨げることのないよう、ケースをやや左にずらした左右非対称のデザインになっている。

この独自のスタイルは、裏蓋に刻まれた「潜水ガエル」とともに、現行モデルにも受け継がれるフロッグマンのアイコンになっている。本格的な防水性に加え、潜水時間や潜水開始時刻を表示、記憶する独自の機能を装備し、ほかのダイバーズウォッチとの差別化を図った。

そしてここから「フロッグマン」の快進撃は始まったのだ。

NEXT PAGE /

■フロッグマン 歴代モデル■

記念すべきGショック35周年となった2018年、「フロッグマン」も誕生25年を迎えた。そしてシリーズも現在6代目に至る。その進化の系譜を辿ってみよう。

2代目モデル「DW-8200」(1995年発売)

初代誕生から2年目には早くもバージョンアップ。チタンを採用し、軽量性と防錆性を向上した。2穴式バックルの採用でストラップはより外れにくい。

3代目モデル「DW-9900」(1999年発売)

本体を傾けるだけでダイヤルが発光するオートELバックライトを搭載。暗い水中でも高い視認性を確保し、ケースのコンパクト化も実現した。

4代目モデル「GW-200」(2001年発売)

タフソーラー機能を採用し、定期的な電池交換の手間を解消するとともに、ダイバーズにとって致命的なバッテリー切れを防ぐ。デザインも原点回帰へ。

5代目モデル「GWF-1000」(2009年発売)

マルチバンド6を初搭載。世界6局の標準電波を受信し、時刻を自動修正する。従来の多機能に加え、海外でのダイビングでも実力を発揮する。

6代目モデル「GWF-D1000」(2016年発売)

待望の水深計をはじめ、水温や方位を計測するトリプルセンサーを搭載し、ログ機能も採用した。開発には海難救助を行なう海上保安庁のアドバイスを参考に作られた。

NEXT PAGE /

2020年の最新モデルは初の“アナログ表示”

「GWF-A1000-1A2JF」カーボン/SSケース、タフソーラー、53.3mm径。9万円/カシオ(カシオ計算機 03-5334-4869)

デジタル技術の進化とともに、スマートウォッチの登場で腕時計の世界も大きく変わりつつある。「フロッグマン」も、トリプルセンサーをはじめ海難救助のプロフェッショナルユースにも応える本格機能を備え、ダイブコンピュータとの明確な棲み分けをしつつ、ひとつの頂点を極めた。

そのうえで最新作が新たに採用したのが、初のアナログだったのだ。そこにはこれまで培ってきたダイバーズに対する深い知見が感じられる。

「フロッグマン」初のアナログ表示が採用された「GWF-A1000」シリーズ。

時計におけるデジタルとアナログの表示には、時間を点として捉えるか、線として捉えるかの違いがある。数字で表された時間はその瞬間であるのに対し、針が示すのは途切れることのない連続性でもある。

時刻だけでなく、経過した過去とこれから先の未来の時間を感覚的に読み取る。それはダイビングという非日常において、今を把握し、どのように判断し行動するかを推察する大きな指針となる。

そこであえてアナログを選び、機能は潜水時間や水面休息時間、潮汐情報などに絞ることでダイバーズの本質を追求したと言えるだろう。そのうえでスマホと連携する最新のスマートリンク技術を備え、スタンドアローンからコネクテッドへの新境地も拓く。

こうして従来のシリーズに、フルアナログ表示というベクトルを加えることで、フロッグマンの世界はさらに確立したのだ。

「丘ダイバーのためのダイバーズウォッチ」とは……
ダイバーでなくとも、ダイバーズウォッチは好きでいい。だって、問答無用に格好いいのだから。しかし、知識までも“丘ダイバー”にならないよう、知るべきことは知っておこう。ダイバーズウォッチの深〜い世界に、潜水開始。上に戻る

柴田 充=文

# Gショック# ダイバーズウォッチ# フロッグマン
更に読み込む