去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
今年は、新生ランゲを象徴した「ランゲ1」の誕生25周年と、変わらぬ革新性の証しである「ツァイトヴェルク」誕生10周年のアニバーサリーであり、これを祝すモデルに熱い視線が注がれた。
初代の面影を感じさせる、稀少なハンターケース仕様
「ランゲ1」の誕生25周年を祝し、2019年は10月まで毎月、ランゲ1ファミリーから特別なモデルが発表される。その第1弾であるこちらは稀少なブルーのデイト表示と、初代譲りのプリントインデックスを採用。
加えて、ハンターケース仕様の裏蓋にはかつての時計工房の手彫りレリーフ、そして創業者ウォルター・ランゲと復興の立役者となったギュンター・ブルームラインのふたりの名が刻まれる。
基本スタイルを崩さず、さらに実用的に
ドレスデンのゼンパー歌劇場に掲げられた5分時計にオマージュを捧げる独創的なデジタル表示スタイルに、デイト機能を追加。文字盤外周を周回する赤いマーカーでそれを表示する。
クラシックスタイルに彩りを添えるハニーゴールド
ブランドの重要かつごく限られたモデルに、専用使用権を持つ“ハニーゴールド”という素材を採用しているA.ランゲ&ゾーネ。本作がまさにそれで、2100年まで日付を正しく表示する複雑カレンダー機構を搭載する1本だ。理詰めでレイアウトされた完璧な文字盤のバランスも秀逸。
※本文中における素材の略称:K18=18金、WG=ホワイトゴールド
柴田 充、水藤大輔=文