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2017.12.17

時計

使うほどに愛着が湧く。“手巻き”時計の魅力

実用性だけを考えるなら、機械式時計は自動巻きのほうが便利に違いない。だが、手巻き時計には主ゼンマイを巻き上げるという楽しみがある。
愛機が時を刻むのをやめないように、自らの手で命を吹き込む。その感覚が魅力なのだ。
 
ロングパワーリザーブが支える多彩なカレンダー表示
ORIS
オリス/アートリエ キャリバー 113
SSケース、43㎜径、手巻き。71万円/ユーロパッション 03-5295-0411
シースルーのケースバックからはオリスの自社開発ムーブメントの第4弾、キャリバー113が覗く。このムーブメントはこれまで同様に約10日間のパワーリザーブを誇る。その一方で、日付と曜日表示に加え、スモールセコンドも統制。文字盤外周に2重に配された、週と月を指し示すポインターハンドも特徴だ。
 
ユニークなフォルムの愛すべきオールドピース
TISSOT
ティソ/ヘリテージプリンス Ⅰ メカニカル
K18YGケース、縦49×横26.8㎜、手巻き。54万2000円/スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7361
大ぶりなレクタンギュラーケースをカーブさせた形状から、“バナナ・ウォッチ”の愛称で親しまれたオールドピースの現代版。手首にフィットするケースと個性的なアラビアインデックスが所有欲をくすぐる。
 
ブランドの歴史を感じる“初”のクロノグラフ
PANERAI
パネライ/マーレ ノストゥルム アッチャイオ – 42mm
SSケース、42㎜径、手巻き。107万円/オフィチーネ パネライ 0120-18-7110
パネライ初のクロノグラフ、マーレ ノストゥルム。1943年にイタリア海軍の甲板将校用として登場したプロトタイプ以降、実際に製造されることはなかったが、’93年に復刻された。こちらはそのリバイバルモデル。深いブルーの文字盤に夜光アラビア数字とバーインデックスが映える。
 
航海にオマージュを捧ぐ BR 01の新境地
BELL & ROSS
ベル&ロス/BR 01 インストゥルメント ドゥ マリン
ローズウッド×チタン×ブロンズケース、46㎜径、手巻き。110万円/オールブルー 03-5977-7759
航空機の計器をイメージソースとするBR 01シリーズのなかで、異色の今作。航海に時計を必要とした時代のマリンクロノメーターを文字盤に再現。ブロンズが使われたケース、ベゼル、リュウズを採用し、経年変化も楽しめる。世界限定500本。
 
ミネルバの矜恃を込めたヴィンテージクロノ
MONTBLANC
モンブラン/モンブラン 1858 クロノグラフタキメーター リミテッドエディション 100
ブロンズケース、44㎜径、手巻き。324万2000円/モンブラン 0120-39-4810
2006年にモンブランが吸収したミネルバ。1858年に創業したそのムーブメントメーカーの1930年代製クロノグラフをモチーフにする。昔ながらの手巻きツーカウンターのモノプッシャークロノグラフのムーブメント、ミネルバMB 16.29は約50時間のパワーリザーブを装備。サンレイ仕上げのシャンパンカラー文字盤が、ブロンズケースと相性抜群。世界限定100本。
 
クラシックカーへのブランドの愛が形に
CHOPARD
ショパール/ミッレ ミリア クラシック XL 90周年 リミテッド エディション
K18ローズゴールド、46㎜径、手巻き。478万円/ショパール ジャパン プレス 03-5524-8922
2017年に90周年を迎えたクラシックカーレース、ミッレ ミリア。それを記念し、長年のパートナーであるショパールが、ミッレ ミリア コレクションに初めて自社開発・自社製造のL.U.Cのクロノグラフムーブメントを搭載。レトロなダッシュボードを思わせるアラビア数字と細い円を重ねたスネイル仕上げの積算計により、陶器のような光沢の純白文字盤が際立つ。世界限定90本。
 
ピュアなミニマリストに新風を吹き込む
H.MOSER & CIE.H.
モーザー/ベンチャー・スモールセコンド XL ピュリティ
K18WGケース、43㎜径、手巻き。270万円/イースト・ジャパン 03-3833-9602
文字盤にはバーインデックスが4カ所とスモセコのみを配置。その名のとおり「純粋」な顔立ちは、ブランドの持つミニマリストの哲学に新風を吹き込む。ケースバック越しに顔を出すムーブメントは約3日間のパワーリザーブを実現。世界限定50本。
 
きっと手巻き時計にかける手間は、我が子へ注ぐ愛情にも似ているのだろう。そんな子を持つ親のような感情にさせてくれるのも、手巻き時計の魅力なのである。


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