2020.06.30
HEALTH

リモートワークで体の不調を訴える声も続出。長時間PC作業に効く「背中を丸めるストレッチ」

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。

デスクワークをしている人の大半は、猫背や反り腰といった悪い姿勢が定着してしまいます(写真:polkadot /PIXTA)
デスクワークをしている人の大半は、猫背や反り腰といった悪い姿勢が定着してしまいます(写真:polkadot /PIXTA)

首こり、腰痛、頭痛、眠れない、疲れが取れない。コロナによる仕事環境の変化で、スマホなどデバイスを使用する時間も増えた今、体に関する多くの悩みが聞こえてくる。鈴木孝佳著『全人類、背中を丸めるだけでいい』を一部抜粋・再編集し、自宅でも簡単にできるストレッチを紹介する。

在宅勤務が増えている中、気になるのが身体を動かさない生活。普通に行っていた職場に行くために駅まで歩く、階段を登る、電車内でつり革につかまって立つなど、ちょっとした動作でも毎日習慣化されることで健康の維持には大変重要な役割を果たしていたのです。コロナ禍においては、打ち合わせや商談もオンラインで可能となり、休憩時間はスマホを手放せない人も多いでしょう。

しかし、パソコンやスマホに向かう時間が増えることで、身体の機能はラクを覚え、サボり癖がついてしまいます。新しい生活のスタイルのなかに、意識して身体を動かす時間をつくることが必要になってきます。

Twitterで48万件のいいね、10.4万リツイート、600万回動画再生され話題を集めている「背中を丸めるストレッチ」は身体を動かさない人にこそ取り入れてほしいストレッチです。1回1分、誰でも簡単にできるため、多くの方から身体の不調が改善されたと声をいただいています。

スマホを使うほど身体はどんどん不調に

肩こり、腰痛、頭痛、慢性疲労など、身体の不調を訴える多くの方が、「1日スマホやパソコンで作業をしていた」「一歩も家から出ないで座り続けていた」など身体を動かさない生活を送っています。

スマホやパソコンに向かっている姿勢は、頭の位置が10センチくらい前に出ている状態です。大人の頭はだいたい5~6キロなので、おおよそ15~18キロの負担、5歳児1人分を首に載せながらパソコンに向かっているようなものなのです。肩や首に負担があるのは当然のことです。

また、長時間デバイスに向かうことで背骨も悲鳴を上げています。健康的な背骨は、首は前向き、背中は後ろ向きにカーブし、腰は再度前向きになりS字を描くようにカーブをしています。しかし、デスクワークやスマホを長時間操作し続けると、スマホ首やストレートネックと呼ばれる状態のように頭が前に出て、猫背に見られるように背中は丸まり、腰は反った状態になるのです。

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長時間のパソコンやスマホ、タブレット操作で身体はこんな不調になります。

●猫背や反り腰など姿勢が悪くなる
●肩こり・首こり
●頭痛
●腰痛
●慢性疲労
●冷え性
●自律神経の乱れ
●免疫力の低下
●スタイルが悪化し老けた印象に

長時間デスクワークをしている方の大半は、猫背や反り腰といった悪い姿勢が定着し、肋骨が歪んだ状態にあることもわかりました。肋骨が歪むと、肺が十分に拡張せず、また横隔膜の機能が低下します。すると、呼吸が乱れて肩や腰、背中といった身体のほかの部位で呼吸の機能を補うようになります。それが肩こりや腰痛、頭痛といった不調につながるのです。

現代人の9割が間違った呼吸をしている

人は1日で約2万2000回もの呼吸を行っています。人生が80年だとしたら生涯で6億回以上の呼吸をしていることになります。しかし、私のジムで観察すると90パーセントの方が間違った呼吸をしていました。多くの方が、姿勢が悪いために「呼吸しすぎ」の状態になっています。呼吸のしすぎは、先ほど紹介したように全身にわたってあらゆる不調の原因となります。

では、常にシャキッと背筋を伸ばしていればいいのでしょうか。実は、肋骨が歪んだ状態で、無理に背中をシャキッとさせたり、背筋の筋力アップをしても、姿勢の悪さが改善されることはありません。猫背を直そうと思って背中をそらせるトレーニングをするとさらに反り腰を助長することにもなるのです。姿勢を改善させるためにまずは背中を丸めるストレッチをして、肋骨の歪みを正すことが大切になります。

「背中を丸める」ストレッチは、脇の下にある前鋸筋などを強化しながら、背中を丸めて横隔膜の機能を改善します。背中を丸めるといっても、背中を丸める=猫背ではありません。猫背は本来、働くべき筋肉がお休みをし代わりに別の筋肉が働きすぎた状態になっている状態。肩が前に出て背中が丸まって見えますが、実は腰は反っていることがほとんどです。

また、肋骨も開きすぎて呼吸が乱れている人が多いのが特徴です。対して、背中を丸めるストレッチは、腹横筋や内腹斜筋、僧帽筋下部繊維を意識しながら背中をググッと押し上げるようにします。背中を丸めることで、肋骨の歪みを正し、横隔膜の機能が改善し正しい姿勢ができるようになります。正しい呼吸は美しい姿勢につながります。

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背中を丸めるストレッチをするにあたって大切になるのが呼吸法です。間違ったままの呼吸だとせっかくのストレッチも効果が半減になるので、まずは呼吸をマスターしましょう。

① 口から息を吐き切る
口をすぼめ、5秒かけて細く長く息を吐き切ります。肺から息をすべて吐き切るようにしましょう。

 ②5秒間息を止める
お腹や肺に溜まった空気をすべて吐き切ったら5秒間息を止めます。その間は、下を口腔内の上あごにつけておきます。

 ③ 鼻から息を吸う
5秒息を止めたあとに、ゆっくりと5秒かけて鼻から息を吸い、空気を肺に入れます。

では背中を丸める代表的なストレッチをやってみましょう!

1 腕を壁につける
壁から20センチ程度離れ、足はこぶし1つ分開いて、まっすぐに立ちます。肩とヒジが水平になるようにして、腕が下がらないようにしましょう。

腕を壁につけるポーズ(写真:本書より引用)

2 背中を丸める
ヒジから先を壁につけたまま背中を丸めます。脇やすねに力を感じながら、先ほど紹介した呼吸法(5秒かけて息を口から吐き切り、5秒息を止めたあと、5秒かけて鼻から息を吸う)をします。これを4回繰り返しましょう。

背中を丸めるポーズ(写真:本書より引用)

私が代表を務めるジムには不調を持った方がたくさんいらっしゃいます。今までに身体の不調をなくそうとあらゆる方法を試した方が大半です。

トレーナーとしては少しでもパソコンやスマホに向かう時間を減らしてほしいと思っています。画面を見る時間を1日1時間でも減らすことができたなら1週間で7時間分。小さな心がけ次第で身体を変えることができるからです。

日々の運動は仕事の効率化にもつながる

とはいえ、仕事上どうしてもデバイスに向かう時間が多くなる方もいらっしゃるでしょう。そういう方こそ、身体をリセットできる「背中を丸める」ストレッチを仕事の合間に取り入れてみてください。

『全人類、背中を丸めるだけでいい』(講談社の実用BOOK)
『全人類、背中を丸めるだけでいい』(講談社の実用BOOK)

毎日運動することは、慣れなかったり身体がきつかったりするかもしれませんが、ストレッチを普段の生活に取り入れることができれば身体の不調が減り、パフォーマンスの高い仕事ができることに気がつくはずです。

私自身は健康体ですが、背中を丸めるストレッチを毎日起きたら必ずやっています。寝起きに筋トレとともに背中を丸めるストレッチをしたら世界が輝いて見えました。背中を丸めるストレッチで人生が充実するはずです。

 

鈴木 孝佳:姿勢・不調改善専門家
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記事提供:東洋経済ONLINE

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