2018.11.07
FOOD&DRINK

ボージョレ・ヌーボー片手に披露! 英語で言いたいワインを堪能するフレーズ

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。

ワインにまつわる英語表現を紹介します(写真:Plateresca/iStock)

今年のボージョレ・ヌーボーの解禁日は11月15日ですね。筆者は、ふだんワイン派ではないのですが、なんだかんだで、毎年ついつい飲んでしまいます。

このボージョレ・ヌーボー、新聞社での表記にしたがって今回は「ボージョレ」と書きましたが、テレビ局では「ボジョレー」と呼ぶらしいのです。筆者がずっと「ボジョレー」と言っていたのは、テレビの影響だったのかもしれません。

大手飲料メーカーでも、各社「ボージョレ」「ボジョレー」と分かれるだけでなく、「ヌーボー」の部分も「ヌーヴォー」だったり「ヌーヴォ」だったり、さまざまのようですね。フランス人がBeaujolais nouveauと言っているのを聞くと「ボジョレ・ヌヴォー」という表記がいちばん近いと筆者は思ったのですが、こればかりはどれが正解とは言いがたいですね。

今回はボージョレ・ヌーボーにちなんで、ワインにまつわる英語表現を取り上げようと思います。今年の解禁日には、グラスを傾けながら、英語でカッコよくキメてみませんか。

酢はワインからできる?

英語のwineという単語の語源は、ラテン語のvinum(ブドウ、ワイン)です。フランス語のvin、イタリア語やスペイン語のvinoもおそらく同じ語源かと思われます。英語のブドウやワインに関係した単語に、vin-やvini-がついていることが多いのはそのためです。

vin-、vini-のつく単語
vine ブドウの木、つる植物
vineal ブドウの、ブドウの木の、ワインの
vinegar 酢
vineyard ブドウ園
vinic ワインの
viniculture (ワイン用)ブドウ栽培
viniferous ワイン造りに適した
vinify 〔ブドウ〕からワインを造る;〔ワイン〕を醸造する

「酢」が同じ語源の仲間に一緒に含まれているのは面白いですが、それはvin-(ワイン)が -egar(酸っぱい)というのが由来なのです。

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確かにワインを放置すると酸っぱくなりますよね。飲み残したワインが酸っぱくなってしまったこと、皆さんはありませんか。

筆者は、これはてっきりワインが本当に「酢」になってしまったのだと思い込んでいたのですが、これは酢になったというわけではないようですね。単に酸化して酸っぱくなっただけで、いわゆる「ワインビネガー」とは違うそうです。きちんと酢酸菌を加えないと酢にすることは難しいようですね。でもvinegarという単語をみたら、語源は「酸っぱいワイン」だということを思い出してください。

ほかにも、語源として興味深いのが、ワインのラベル。日本語では「ラベル」のほかに、「エチケット」とも呼ばれているのはご存じですか。英語ではwine labelやwine bottle labelと言いますので、このラベルを指す「エチケット」というのはいったいどこから来たのでしょう。

英語のetiquetteという単語の語源を調べてみると、古フランス語のétiquete(札)のようです。これは軍隊や宮廷などで「貼り出された札」のことを指していたそうで、そこに規則や手順などが書かれていたために「礼儀作法、エチケット」という意味になったのだとか。ということは、もともとの「札」の意味が復活して「ラベル」を指すようになったのでしょうか。でも、英語ではetiquetteとは呼ばないので、それでは矛盾が生じてしまいます。

そこで、そもそもの語源であったフランス語のétiquetteという単語を調べてみると、現在でも「札」や「ラベル」の意味で使われていることがわかりました。英語と同じように「エチケット」の意味もあるにはあるようですが、「札」や「ラベル」の意味のほうが使用頻度は高いようです。ということで、ラベルを指す「エチケット」はフランス語から来た外来語でした。

ボージョレ・ヌーボーの味を英語で

今年は、誰かと一緒にボージョレ・ヌーボーを飲む機会があったら、ぜひワインや酢、エチケット(ラベル)の語源を自慢しつつ、ワインの味を英語で言ってみるのはどうでしょう。

ワインの話に使えそうな単語をリストにしてみました。出張などで食事を海外の方と一緒に取るときには、ワインを飲むこともあるのではないでしょうか。そのときにも、これらの単語を覚えておくと便利だと思います。全部暗記するのが難しければ、自分の好きなワインの味だけでも言えるようにしておくといいかもしれませんね。

ワインの味の表現
sweet 甘口の
tannic 渋みのある
dry 辛口の
soft 渋みの少ない
light-bodied 重厚感が少ない
hard 渋すぎる
medium-bodied 重厚感が中程度の
smooth 渋みが少なく飲みやすい
full-bodied 重厚感が強い
rich 甘みが芳醇な
round ほどよい重厚感の
well-balanced バランスのよい
heavy 重厚感が強すぎる
expressive 味や香りが豊かな
acidic 酸味のある
buttery バターのような味の
tart 強い酸味のある
chocolaty チョコのような味の
crispy 心地よい酸味の
corky コルクの香りのする
hollow 果実感のない
earthy 土の香りのする
jammy 渋みがなく果実感の強い
oaky オーク樽の香りのする

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このほかにも、味の描写の例えとなるものを形容詞にしてappley(リンゴのような)、berrylike(ベリーのような)、grassy(草のような)、spicy(スパイシーな)、raisiny(レーズンのような)のように表現することもできます。

でも、あまりにも比喩表現が行きすぎると、ソムリエやワイン通が言う「濡れたイヌの香り」とか「雨上がりの湖のほとりの土の香り」とかみたいになってしまいそうですね。ちょっと筆者には難しくて理解できません。筆者なんて、だいたい何を飲んでも、It’s good. (うまい)とかI like it. (好き)とかしか言わないですからねぇ……。

酒飲みなら覚えておきたいことわざ

カッコ良くワインの味を描写したあとは、こんなことわざを披露してトドメを刺して下さい。同僚や友達もしびれて、ワインとあなたに酔いしれてしまうかも?

Good wine makes good blood.(良いワインは良い血となる)

直訳すると「良いワインが良い血を作る」という意味ですが、いったいどんな意味のことわざだと思いますか。日本語のことわざに置き換えると「酒は百薬の長」がいちばんしっくりくるでしょう。このことわざは、もう少し難しい単語を使って、

Good wine engenders good blood.(良いワインは良い血となる〔酒は百薬の長〕)

と言うこともあります。どちらでもまったく同じ意味ですので、どちらで言っても構いません。日本語のことわざにより近い言い方で、

Wine is panacea of all ill.(酒は百薬の長)

というのもあります。直訳すると「ワインはすべての病の万能薬」という意味で、まさに「酒は百薬の長」となります。

ことわざとまではいかないかもしれませんが、フランソワ・ラブレーという作家・医者が言ったというこんなフレーズは、少しウィットが利いていて、酒の席にはぴったりではないでしょうか。

There are more old drunkards than old physicians.(老医師よりも老酒豪のほうが多い)

「健康を気遣う医者よりも、酒飲みのほうが長寿だ」という意味で、暗に「酒は百薬の長」と言っています。このフレーズにはワインという単語は登場しませんが、これを言い訳にいつもより3倍くらいは多めに飲めそうですね。翌日の後悔はさておき……。

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ワインが登場することわざには、こんなものもあります。どんな意味かわかりますか。

Good wine needs no bush.(良いワインにはツタはいらない)

これはイギリスのことわざです。昔、ワインを作っていた居酒屋や旅館などは「酒が飲めます」という看板代わりに、ツタの枝を外に下げて旅行者に知らせていたのだとか。つまり、「うまい酒には看板は必要ない」という意味なのです。

「桃李もの言わざれど下自ら蹊を成す(とうりものいわざれどしたおのずからみちをなす)」に近いかもしれませんね。つまり「モモやスモモは何も言わないけれど、おいしい実には人が集まるため、その下には自然に道ができる」ということ。

司馬遷の『史記』にあるこの言葉は、「徳のある人のもとには、自然と人が集まる」ということを例えて言っていました。こちらの英語のことわざは、例えではなくそのまま酒の話なのですけれどね(笑)。

キリスト教の聖書のマタイ伝9章には、こんな教訓もあります。

Don’t put new wine into old bottles.(新しいワインは古い瓶に入れてはならない)

これは現代風に教訓として言い換えたものですが、聖書の原文はもっと長く、このような文脈で使われています。

Neither is new wine put into old wineskins; otherwise, the skins burst, and the wine is spilled, and the skins are destroyed; but new wine is put into fresh wineskins, and so both are preserved.
(また、新しいワインを古い革袋に入れる者はいない。そんなことをしたら、革袋は破れ、ワインは流れ出て、革袋もだめになる。新しいワインは、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、どちらも長持ちする)

現在ではbottle(瓶)と置き換えますが、昔はワインを革の袋に入れていたので、wineskin(ワイン用革袋)と書かれていますね。

ここでの教訓は「新しい思想には新しい形式がふさわしい」ということで、「古い悪習は断ち切るべきである」という文脈で使用されます。お酒の話なのに、なんだか一気に高尚な感じがしますね。

親友と交わす酒ならこんなことわざも覚えておいてはどうでしょう。

Friends are made in wine and proved in tears.(友情は酒の席で結ばれ、涙のときに試される)

酒の席というのは楽しいときの例えで、涙はつらいときの例え。「物事がうまくいっているときには新しい友人ができるが、本当の友人はつらいときにこそ判明する」という教え。いやあ、筆者はつらいときも酒の席なのですけれどねぇ……。でも、友情を語るにはすばらしいことわざです。

偉人たちが残した酒に関する言葉

きれいにまとまったところで終わりにしたいところですが、最後に偉人たちが残した酒に関する言葉を紹介します。

I drink to make other people more interesting. – Ernest Hemingway.
(酒を飲めば、つまらないヤツでも面白く思える ― アーネスト・ヘミングウェイ)

He who loves not wine, women and song remains a fool his whole life long. – Martin Luther
(酒と女と歌を愛さぬ者は愚かな生涯を送る ― マルティン・ルター)

なんだか酒飲みとしてはウキウキするようなフレーズばかり。でも、こんなスペインのことわざも肝に銘じておきましょう。

Good wine ruins the purse, and bad wine ruins the stomach.(良酒は財布に厳しく、悪酒は腹に厳しい)

ボージョレ・ヌーボーの解禁日が待ち遠しいですね。

 

箱田 勝良:英会話イーオン TOEIC満点教師
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記事提供:東洋経済ONLINE

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