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2021.03.11

ニュース

「東日本大震災で、乾パンが食べられなかった」被災者が開発した備蓄用ゼリー

備蓄食といえば乾パンやカップ麺が定番だが、災害時には、“ある事情”からこれらが食べられなくなることがある。
東日本大震災の避難所生活で「乾パンが食べられませんでした」という男性が、ある備蓄食を開発した。
[左から]「ライフストック バランスタイプ」30g 168円、「ライフストック エナジータイプ」100g 各298円/すべてワンテーブル onetable.info@onetable.jp
「ライフストック」という名の備蓄用ゼリーである。
これを手掛けたのは、宮城県多賀城市に本社を構えるベンチャー企業、ワンテーブル。冒頭で触れた震災を経験した男性というのが、代表の島田昌幸さんである。
彼は当時を思い出しながら、こう語る。
「東日本大震災後の避難所生活で、真っ先になくなったのは水でした。水がなければカップ麺は作れないし、こんな状況下で乾パンを食べてしまえば、余計に喉が乾いてしまう。そこで水なしで栄養が摂れるゼリーを考案しました」。
水分を多く含むゼリーなら、水がない状況でも栄養補給ができる。まだ咀嚼力が十分でない小さな子供や食べ物を飲み込むのが苦手な高齢者でも、ゼリータイプなら食べやすい。
「ライフストック エナジータイプ」100g 各298円/ワンテーブル onetable.info@onetable.jp
ライフストックは、全2種類を展開。「エナジータイプ」は、1袋200kcal以上のエネルギーがあるので、2袋で乾パン1缶分のカロリーが摂取できる。非常時に素早く水分とカロリーを摂取できるよう作られたものだ。
「ライフストック バランスタイプ」30g 168円/ワンテーブル onetable.info@onetable.jp
避難所生活が長くなると、おにぎりやパンなどが中心の食生活になり、炭水化物の取りすぎで“震災太り”に悩む人が出てくる。そこで、なるべくカロリー控えめで栄養が摂れるようにと考案されたのが「バランスタイプ」だ。
わずか20kcalのゼリーの中には、原材料としてビタミンCやビタミンB1、食物繊維などが含まれている。震災太りが気になる人も、これなら安心して食べられるだろう。
備蓄食として備えておくには消費期限も重要な要素のひとつ。なんと、長期保存が難しい水分を多く含むゼリー状でありながら、消費期限は一般的な乾パンよりも長い5年半。
アルミを含む素材を使用したパッケージと充填技術、独自のレシピコントロールによって、長期保存が可能な備蓄ゼリーを完成させた。
こちらは現在、公式オンラインショップやAmazonから購入可能。今ある備蓄食にこのゼリーをプラスするだけで、安心度がかなり違ってくるだろう。
「あのとき、買っておけばよかった」とならないよう、今のうちに防災バッグに追加しておこう。
 
[問い合わせ]
ワンテーブル
onetable.info@onetable.jp
https://lifestock.jp/ 

sukimm=文


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