2021.02.23
LIFE STYLE

売上高は5カ月連続で前年同月比プラス。人気復調?「ゴルフ練習場に若者増」の驚く実態

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コロナ禍でゴルフを始める人たちが増え、練習場の客も増えている(写真:IYO/PIXTA)
コロナ禍でゴルフを始める人たちが増え、練習場の客も増えている(写真:IYO/PIXTA)

一部都府県に出されていた2回目の緊急事態宣言が1カ月延長された。1回目とは違って、新型コロナウイルスの感染の仕方などがわかってきたので、むやみに怖がらずに生活できそうなのだが、そのため人出は1回目よりは多く、感染経路不明の感染者や変異ウイルス感染も多くなっているので、油断はできない。

ゴルフ界にとって昨年はプロゴルフのトーナメントの中止が相次ぐなどの影響を受けた。自分でプレーする回数が例年より減った人も多かっただろうが、業界にとってコロナ禍は図らずもプラスに働いている。

「新しい生活様式」で第1回緊急事態宣言からリモートワークや自宅待機などで通勤通学などがなくなって時間に余裕ができ、スポーツとして「3密」のリスクが少ない屋外のゴルフが見直され、20~30代がゴルフを始めているということは以前紹介した。その後、どうなっているだろうか。

ゴルフ練習場の売上高は回復

ゴルフ界にとってはいい数字がある。経済産業省が発表した「特定サービス産業動態調査」の2020年11月分確定データを見ると、コロナ禍の中での「動態」が如実に表れている。

ゴルフ練習場の売上高は、コロナ前の1、2月は前年同月比100%を若干超えていた。しかし、コロナが拡大した3月には94.6%となり、第1回緊急事態宣言下の4月65.9%、5月74.9%と落ち込んだ。利用者に多かった高齢者が外出を控えたことや、テレビの情報番組で意図的に悪者扱いされて休業したところもあった。

第1回の緊急事態宣言が明けて以降は回復。7月の105.5%からは5カ月連続で前年同月を上回っている。10、11月は110%を超えた。「練習場バブル」といわれてはいたが、それが数字にはっきり表れている。

利用者数も、7月以降は前年同月比110%を超える月が多くなった。ここには新規の利用者やリピーターが少なからず含まれていると考えられる。

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第2回の緊急事態宣言が出た後、自宅待機が多くなっている筆者の姪から「ゴルフを始めたいから練習場に行ってみたい」と連絡がきた。ゴルフをしている、もしくは始めたという20代の同年代の同僚がいるのがきっかけの1つだという。

対面を最小限にするために導入されているICカードチャージ機(写真提供:フナボリゴルフ)

そこで筆者が利用している練習場に連れていった。練習場の今を取材する機会にもなった。

久しぶりに行ったのは、東京・江戸川区にある屋外練習場「フナボリゴルフ」。平日の昼間で、待ち時間はなかった。以前のような対面式の受付ではなく、100円で会員になると打席番号とICカードを渡されるところまでが対面になっていた。

ICカードチャージ機でカードにお金をチャージし、入場料500円を支払い、使用するボールのカゴ数を入力する。ボール数は曜日や打席のある階によって変わるが、平日2階の打席で1カゴ75球1100円だった。

レンタルクラブでいざ練習へ

姪はゴルフ用具をまだ持っていないので、レディース用のクラブ(9番アイアン)を300円で1本借りた。

打席近くのボール貸出機にカードをかざすとボールが出てくる。ICカードで対面を最小限に抑える感染対策をして、接触を防いでいる。

初めてなのでグリップの仕方とだいたいの構え方、振り方を教え、周りの人を見てどんな感じに打っているか、それを真似して素振りを多くさせてから打たせた。

若いだけにのみ込みが早く、10球に2、3球ぐらいはちゃんと当たるようになり、ボールを1カゴ追加した。楽しかったようで、自分のクラブをそろえてやってみようという気になったようだ。これからが大変なのだが、まずはやる気を尊重しよう。

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フナボリゴルフの吉久彰支配人に現状を聞いてみた。正確なデータはないとしたうえで「ここ3、4カ月で新規も含めて若い人の利用が多くなってきたと思います。入場者は感覚的には土日で2割強、夜間で2割弱ぐらいの増加かなと。レンタルクラブのドライバー(600円)をよく折られるようになりましたし」と笑う。

立地条件の「駅近」は多くの練習場では今から変えることは難しいが、車を持っていない若者も多いので、送迎などを含めて考える必要はある。

「足の確保」とともに「手ぶら(レンタルクラブの充実)」「わかりやすい会計」「HPやSNSでの情報発信」「感染防止対策のシステム」が、練習場に足を運ばせやすくするのは間違いない。やってみて楽しければ、リピーターになり、ゴルフ場デビューにつながる。好循環につなげていきたいところだ。

「ちゃんと教わってから、コースに出たい」という人もいるだろう。スクールを行っているフナボリゴルフでは、レッスン期間を短くしたり、費用を分割できるようにしたりして、若年層が利用しやすいように、スクール形式を見直しているという。

感染防止対策を含めて確認すべき

ネットなどで検索すると、初心者用のレッスンを行っているスクールも多いので、場所や費用を見て選べる。ただ、緊急事態宣言下では、対面が主体のレッスンを休止している場合もあるので、感染防止対策も含めて確認する必要がある。

そんな初心者用の中に、日本プロゴルフ協会(PGA)の「ゴルフデビュープログラム」がある。2016年にテストマーケティングとして関東・関西各1練習場で始まり、現在は全国16練習場でテストマーケティングが継続され、PGAのオリジナルカリキュラムを提供している。

期間は6日間で、5日間はPGA会員のティーチングプロが基本から教え、最後はコースで実際にプレーしながらレッスンを受ける。費用は3万1900円(税込み)。クラブは無料レンタルできるので、動きやすい服装とスイングしやすい靴を準備するだけでいい。

「今はコロナ禍で動きがない状態です」(担当の根本修一理事)というが、ゴルフを始めたい人にとってはコースデビューまで入っているので、これからの選択肢に入るプログラムの1つだろう。

第2回緊急事態宣言は3月7日まで延びた。リモートワークなどが続く人が多いだろう。「ゴルフでもやってみようか」と思ったなら、ゴルフの入り口に立てる練習場に「とりあえずクラブを振ってみよう」と手ぶらで行ってみると、ゴルフに対するイメージに変化があるかもしれない。運動不足解消にもなる。経験すれば、次へ進みやすくなる。

そして「次」が「継続」につながってくれればいいと願う。

 

赤坂 厚:スポーツライター
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記事提供:東洋経済ONLINE

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