“職遊融合”時代のリアルライフ Vol.16
2020.12.03
LIFE STYLE

「住みたい場所が定まらない」からワーケーションするアウトドア好き会社員の話

「“職遊融合”時代のリアルライフ」とは……

日本各地にワーケーションサービスを展開する「リビングエニウェアコモンズ(LAC)」のユーザーにリビングエニウェアな暮らしを訊く本企画、今回はアウトドア好きの会社員さんの登場だ。

野原ホールディングス勤務
福岡 雅さん
1976年、神奈川県生まれ。1598年創業の建材販売を主要事業とする野原ホールディングス勤務。「暮らしの未来」に関わる仕事に携わる一方、「縛られない暮らし方」に興味を抱いてLACを利用中。

 

“住”への意識が変容する時代

東京・新宿にオフィスを構え、建材の商社である野原ホールディングスで経営企画に関わる福岡雅さん。彼は昨年、現在のLAC伊豆下田を会場に開催されたイベントに参加して、LACの存在を知った。

現在のLAC伊豆の様子。キレイな空の下、各々が自由に仕事をする。

テーマは“住むところに縛られない生き方”。LACが本格展開していないタイミングでの開催ながら、多拠点居住やノマドワークに関心を抱いていたのは、「建築」や「住まい」に関するトレンドを注視していたからだ。

「弊社は建設資材の商社という側面を持ち、生きていくためには時代のニーズに対応する必要があります。いわば変化が常な風土。今はデジタル化に力を入れていますし、コロナ禍においては営業スタイルも従来のようにお客様のもとに通い続けなくてもいいのではないか、という話も出ています。こうした柔軟な姿勢は『住まい』に対しても同様で、若い世代の人たちが抱く家や暮らしに対する考えを知ることは、とても重要なんです」。

山梨県にあるLAC八ヶ岳北杜ではアウトドアでもオンラインで作業可能。この環境は会社や自宅では求めづらい。

福岡さんは、“住”にまつわる意識は変わってきているのではないか、と考える。賃貸なら家賃保証会社があり、購入なら住宅ローンを組みやすい会社が出てきた。家を持つに際して求められた、諸々の制約のクリアというハードルが下がっているのである。

「仮に借りたり買ったりするハードルが下がるなら、“どこに住みたいか”への意識はもっと高まるだろうと。そして“ここに住む”という決断ができるまでは、いろいろな土地を転々としたいと感じる人がもっと出てくるだろうと感じていたんです」。

秋晴れの八ヶ岳連峰。LAC八ヶ岳北杜では、起き抜けに見られる光景がコレ。なんとも贅沢。

その仮説があながち外れていないと教えてくれたのがLACをはじめとする、アドレスホッパーを可能とする多様なサービスの登場。そこにリモートワークを推進する社会の動きも絡み、福岡さんは時代の変化を痛感した。

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アウトドア好きだから、八ヶ岳の麓で仕事をする

リモートワークは福岡さん自身のワークスタイルも変えた。現在連絡をとる相手は大体が自社の社員。外部の人と接触する際にもオンラインを手段にする場合が多く、会社は今後も出社率を低めていきたいという。

優雅なつくりのLAC八ヶ岳北杜のラウンジスペース。仕事をしたり読書をしたり、思い思いの時間を過ごせる。

ワークスタイルが変わればライフスタイルも変わる。往復3時間かけて都心に通う日は減り、現在暮らす湘南で過ごす時間が増えた。すると、福岡さんの中で“住”への意識が存在感を増した。

40代で家を所有していない理由には「本当に住みたいところはどこなのかという疑問に、やっぱり答えを出せないでいる」ことをあげる。もともと根を下ろす場所へのこだわりが強い方なのである。

しかしコロナ前まで、そのこだわりは存在感を潜めていた。なくなったわけではない。平日と休日が明確に分かれ平穏に過ぎていく日常が存在感を薄めていただけである。そして今回、生活が「暮らし優先」にシフトしていき、そのこだわりは強さを増した。

滞在を通じて地域性に触れられるLACへの関心が、以前にも増して高まった。

そんな福岡さんがよく利用しているのが、先頃本格的にサービスを開始したLAC八ヶ岳北杜。福岡さんの会社の研修施設を再利用した縁があるものの、施設内から八ヶ岳はもとより富士山までのぞめ、そのうえで仕事ができる環境に心地良さを感じている。

サンセットタイムの富士山は絶景。思わず仕事の手を休めて見つめてしまう、福岡さんの好きな時間。

「ちょうどバブル期に建てた施設なので造りがちょっとゴージャスなんです。窓を大きくとったラウンジスペースが2階にあり、晴れた日は採光が良く、ポカポカと気持ちいい。それでいて眺めも最高。ずばり、快適空間ですね」。

採光の良い2階のラウンジはまさに快適空間。窓から眺める雄大な自然、晴れた日のポカポカ陽気が気持ちいい。

さらにオンラインによる仕事は外でもできる。

「施設の重要なコンセプトとして、外でのオンライン環境にはかなりこだわったようです。Wi-Fiのアンテナも立てて整備したと聞きました。おかげでパソコンさえ持っていけば家にいるのと同じ感覚で仕事ができますし、施設が大きい一方、今はまだ利用客が少ないので、いろんなロケーションを選んで仕事ができる贅沢さがあります」。

トレッキングやスノーボード、キャンプを趣味とする福岡さん。生来のアウトドア好きの一面がくすぐられる環境が、LAC八ヶ岳北杜にはあるのだ。

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LACを使って見つける、未来の住処

LAC八ヶ岳北杜のプロデューサー、ジョニーさん(左)と太陽のもとで談笑する福岡さん(右)。仕事では巡り合いにくい人との出会いに惹かれるという。ジョニーさんのリビングエニウェアな生活もチェック! ©︎Syuheiinoue

「LAC八ヶ岳北杜はプロデューサーのジョニーさんがこだわって環境を整えています。バンを活用したノマドライフを実践してきた人で、彼のような魅力的な人と出会えるのもLACの素敵な特徴。会社に入ってしまうと、よほど自発的に動かない限り自社以外の人との交流機会を得るのは難しいですから。それに会社だけ、個人だけ、で物事を考えることにも限界があります。弊社にはいないタイプのフリーランスの人、仕事や生活に縛られていない人と会える機会が多く、話を聞くだけで刺激的。そもそも40歳を過ぎて、仕事以外で20代の人と普通に話せる機会がほとんどありません」。

出張サウナ「熊野サウナクラブ」のトミーさん(右)とアウトドアで新鮮な肉料理を楽しむ福岡さん。

会社員としては出会いにくい人と出会い、視野が広がる。それがLACの魅力であり、また人との巡り合いを通じて、その土地への見識を深めることもできる。LACに集う人には土地柄や風土に関心を抱く人が多く、地元の人との触れ合いも可能なためだ。

トミーさんとサウナで心身ともにリフレッシュ! そして、そのあとは仕事に向かう。©︎saunatruck

今後は徳島県の美馬や沖縄県のうるまにある施設も訪れてみたいという。それ以外にも、現在LACが展開する施設は全国で11カ所(11月17日現在)もある。これら東北から沖縄にかけて点在する拠点を利用しながら、「この土地なら‥…」という場所との巡り合いにも、期待している。

 

「リビングエニウェアコモンズ(LAC)」
あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所で、やりたいことをして暮らす生き方を実践するための“コミュニティ”。現在、会津磐梯、伊豆下田、岩手県の遠野など日本全国5カ所に展開する(詳しくはHPを参照)。いずれもWi-Fi環境や電源などを完備したワークスペースと、長期滞在を可能にしたレジデンススペースからなる複合施設だ。2020年中には計10カ所のオープンを目指している。
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「“職遊融合”時代のリアルライフ」とは……
モーレツ社員が礼讃された高度成長期から、ライフワークバランスが重視される2000年代へ。そして今、ワーク(職)とライフ(遊)はより密接となり、「そもそも区別しない」生活が始まった。ワーケーションなどのサービスも充実し、職場の常識も変わり、身の回りに新しい暮らしを実践する仲間も増えてきた。さて、あなたはどう生きる?
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小山内 隆=取材・文

# リビングエニウェアコモンズ(LAC)# ワーケーション
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