藤井隆行の視点。私的傑作批評 Vol.6
2020.09.18
LIFE STYLE

想像力が広がる美しき真鍮の世界。藤井隆行が惚れた「フタガミ」の生活雑貨

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……

初めてフタガミの商品を見たとき、もともと真鍮が好きなこともあり「おっ」と惹かれつつも、内心「いったいこれは何に使うものだろう?」と思いました。生活雑貨のようだけれど用途がはっきりわからず、でもなんだかデザインが面白い。

想像力が広がる美しき “真鍮” の世界。藤井隆行が惚れた「フタガミ」の生活雑貨

上の写真を左から紹介すると、カトラリーレスト「流星」、鍋敷き「月」、箸置き「結晶」、ペーパーウェイト、テープカッター。文房具やキッチンツール以外にも、ランプやネームプレート、タオルハンガーなど、幅広く真鍮の製品が揃っています。我が家では鍋敷きと箸置きと文具トレイを使っており、ちょっとした贈り物にしても喜ばれます。

富山県高岡市で作られるフタガミの製品は、和のテイストでありながらモダンかつ実用的で、さすがメイド・イン・ジャパンというクオリティ。特別な手入れをしなくても、使っているうちに色がくすんで、どんどん味わい深く経年変化します。

ゴールドともシルバーとも違う、真鍮ならではの色合いが絶妙。僕の家の内装は木をメインに使っているのですが、木ともとても相性がいいのでインテリアに自然に馴染んでくれます。

フタガミの「鍋敷き・太陽」と「鍋敷き・月」
各4200円/フタガミ(ルーツトゥブランチズ 03-5728-5690)

フタガミの「鍋敷き・太陽」と「鍋敷き・月」
約1100℃の熱で溶かした真鍮を砂型に流し込み、冷めたあとに砂型を壊して取り出してから仕上げた真鍮鋳物の鍋敷き。ともにリング状で、熱が逃げやすく、手に取りやすいという実用性も備える。真鍮特有の風合いはどんな食卓にも自然に馴染む。

そして、フタガミは商品の名前も魅力的。「太陽」や「月」とは真鍮に反射する光をイメージしたのかなとか、「日食」という名の栓抜きってミステリアスだなとか、すごく想像力を掻き立てられるんです。

僕自身、服を作るときにネーミングを気にするほうで、たとえば農民をイメージした服なら「ファーマー」とか、ラペルのコートなら「ドクターコート」とか、名前を聞いて「なるほど」とストーリーを感じてほしいし、「どうしてこの名前?」と、商品名が会話のきっかけになるのもうれしい。長く大切に使うなら名前があったほうがより愛着が持てるし、やはり名前から広がる世界って大切だと思います。

ネットでの買い物ならなおさら商品名は目に飛び込んでくるから、今後ますますネーミングは重要になるような気がしますね。名前にこだわってモノの背景を考えてみるのも、買い物のひとつの楽しみなのでは?

いいモノにはいい名前があるんです。

[藤井隆行 プロフィール]
東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。ハーレーとのコラボレーションを皮切りに、夏以降も数々のコラボレーションプロジェクトを展開予定。

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
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竹内一将(STUH)=写真 町田あゆみ=文

# 真鍮# 私的傑作批評# 藤井隆行# 鍋敷き
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