隣のオッサンは青いか?[ライフスタイル編] Vol.25
2020.04.30
LIFE STYLE

お金・医療・人間関係……。妻子持ち40代男性が感じる「田舎暮らし」への不安

隣のオッサンは青いか?

「隣のオッサンは青いか?」とは……

前回は、妻子持ち40代男性に田舎への移住に対する意識について聞いてみた。今回はその中で、移住に対して消極的な人たちの意見にフォーカスし、田舎暮らしで直面するであろう“現実”をあぶり出していく。

田舎暮らしの魅力と難点は表裏一体

Q. あなたは都会から田舎に移住した経験がありますか? あるいは移住したいと思いますか?
・すでに移住した 8.4%
・移住してみたい 33.0%
・移住したいと思わない 58.6%

既婚子持ちの40代男性のおよそ4割が「すでに移住した」、あるいは「移住してみたい」と移住に積極的なのに対し、およそ6割の人は「移住したいと思わない」と消極的。そこでまず、「すでに移住した」という人が、その前後で苦労した感じたことを紹介しよう。

Q. 移住する前や後に大変だったことを具体的に教えてください。
・「会社までが遠くなった」(47歳・会社員)
・「田舎は不便」(46歳・会社員)
・「価値観・慣習の違い」(45歳・会社員)
・「交通事情」(40歳・自営業)

前回、移住して良かったこと、という問いに対しては「自然が多くて静かで過ごしやすい」「交通量が少ない」「生活がシンプルになる」という回答が多かった。移住に憧れている人が田舎暮らしに求めるイメージ通りの生活を手に入れているように感じるが、ものごとは表裏一体。

自然が多いエリアなぶん通勤には時間がかかり、交通量が少ないぶん普段ちょっとした用事を済ませるのも不便になる。もちろんそれを覚悟のうえで移住を決意したはずだろうが、実際やってみなければ、それがどれだけ大変かわからないものだ。

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田舎暮らしの三大問題は、お金・医療・人間関係

隣のオッサンは青いか?

Q.(移住してみたいと答えた人に)移住にあたって不安に思うことを具体的に教えてください。
・「安定した仕事に就けるか」(45歳・会社員)
・「知り合いがいない」(45歳・公務員)
・「町の独自のルール」(46歳・会社員)
・「医療機関の有無と移動手段」(43歳・会社員)
・「食糧の調達。多少の不便は理解していても、どの程度なのか。また地域の物価も気になる」(46歳・公務員)
・「娯楽が少ないのでショッピングモールに入り浸りになりそう」(44歳・自営業)

これから「移住してみたい」と考えている人が不安に思うことも同様である。特に多いのは仕事に関すること。「安定した仕事に就けるか」「収入が減らないか」など、移住後も安定して暮らしていくための“お金”をどうするか、不安に感じるのは当然だろう。

となると、「食糧の調達。多少の不便は理解していても、どの程度なのか。また地域の物価も気になる」(46歳・公務員)という回答にあるような、地域ごとの物価なども気になるところだ。

また、「医療機関の有無と移動手段」(43歳・会社員)も移住を前に検討すべき事項だろう。持病がある人、あるいはその家族であれば、かかりつけの病院までのアクセスなどは大切な問題。万が一に備え、その地域の医療面の充実度はしっかり確認しておきたい。

そして、もうひとつ大切なのが“人間関係”だ。移住した地域独自のルールや慣習に戸惑うこともあるだろうし、何より困ったときに相談できる「知り合いがいない」可能性もある。気軽に話せる相手や遊び相手が近くにいないこと。都市部に比べて娯楽の選択肢が少ないことを頭に入れておきたい。

「娯楽が少ないのでショッピングモールに入り浸りになりそう」では、せっかく移住したのに元も子もない。例えば「できるだけ自給自足で生活する」といった、田舎暮らしだからこそできる目的を持っていた方が良いのかもしれない。

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移住したくない派の言い分

Q.(移住したいと思わないと答えた人に)その理由を具体的に教えてください。
・「今の便利を手放したくない」(41歳・会社員)
・「不便を許容できそうにない」(47歳・会社員)
・「慣れない土地での生活は逆にストレスがかかって不便そう」(46歳・経営者/役員)
・「歳をとると病院等が近くにある方が便利だから」(46歳・公務員)
・「人付き合いを一から始めるのは面倒」(47歳・会社員)
・「たまに田舎へ行って息抜きする程度がちょうどいい」(46歳・会社員)

では最後に、そもそも「移住したいと思わない」と回答した人たちの理由をみていこう。

「今の便利を手放したくない」、「不便を許容できそうにない」、「慣れない土地での生活は逆にストレスがかかって不便そう」……。昼夜を問わず店に灯りがあり、交通が網の目のように発達した都市部の利便性に慣れすぎてしまった人にとっては、田舎暮らしがそもそも選択肢に入ってない印象。「たまに田舎へ行って息抜きする程度がちょうどいい」。

まあ、確かにその通りで、余計な面倒やストレスを抱え込むのはナンセンスだ。家族はもとより自分自身にとって、「より良い暮らし方」とは何か。「田舎暮らし」もその選択肢のひとつに過ぎないだろう。

今、世の中が大変な状況になっているなか、日々の暮らし方や働き方など、多くのことが見直されている。さまざまな不便を強いられるなかで、人それぞれ本当に必要なものや大切にすべきものを、改めて考え直すきっかけにはなっているのではなかろうか。

もちろん、その選択肢のひとつに田舎暮らしを、ということでは決してない。この先の生き方を見つめ直す過程で、何かのヒントになればと思う。

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「隣のオッサンは青いか?」
酸いも甘いもかみ分けて、世の中のおおよそのことがわかった年代。けど、いまだにわからないのが、人の心。家族や友人に同僚、あるいは自分の心だって、イマイチ理解できないことは多々あるのだから難しい。そこで、世間に秘めたる胸の内を問う! タテマエはさておき、実際どう考えてます? 上に戻る

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