OCEANS

SHARE

2020.03.26

ライフ

渡辺真史がセレクトする“普通の東京”。「ブレックファスト クラブ 東京」

ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター、渡辺真史が届ける“普通の東京”。彼は今、世界の注目が集まる大都市のどこに心弾ませるのか。
そこに暮らすものとしての日常的な目線で極私的なスポットを切り取っていく。
渡辺真史 2003年にDLX CO.,LTD.を設立し、ベドウィン & ザ ハートブレイカーズをスタート。ディレクターとしてその辣腕を振るう。
渡辺真史 1971年、東京都生まれ。10代の頃からモデルとして活躍し、武蔵野美術大学で学んだ後、渡英。2003年にDLX CO.,LTD.を設立し、ベドウィン & ザ ハートブレイカーズをスタート。ディレクターとしてその辣腕を振るう。
——訪れたのは古くからの友人であり、東京の“夜の顔役”として知られた塩井るりが手掛ける朝食専門店、ブレックファスト クラブ 東京だ。
塩井 久しぶり。元気にしてた?
渡辺 うん、ありがとう。やっぱりここは落ち着くね。開店から閉店まで、いつ来ても温かい朝食が食べられて、るりちゃんの顔が見られる。それだけでいいと思える場所なんだよね。
塩井 おしゃれな店じゃなく、ほっとする店って言われるのがうれしいな。
渡辺 芝浦の「ゴールド」や恵比寿の「みるく」といったクラブの企画に携わり、1990年以来のナイトカルチャーをつくってきたるりちゃんが、朝食専門店を始めると聞いたときは驚いたよ。
井 もう年だし(笑)、身体も壊したから。オーストラリアに行って食について学んで、帰国後は健康第一。昼間のケータリングビジネスから初めて、今では朝がメインになった。ただ、今は朝食を作っているけど、結局私は“いるだけ”の存在でもあるから。
ブレックファスト クラブ 東京
渡辺 それができちゃう、許されちゃうのはやっぱりすごいよ。
塩井 そこに集ういろんな人に会って話を聞いて、吸血鬼みたいに彼らのパワーを吸ってた(笑)。
渡辺 スケーターからビジネスパーソン、パリピまで、ゴールドには東京のあらゆる人たちが集まっていたよね。
塩井 ベベ(渡辺の愛称)のお姉ちゃんも来てたわね。あの、独特の混ざり感が面白かったし、刺激的だった。そういう意味では、もしかしたら、この店も同じかもしれない。
渡辺 中目黒駅から少し離れた東山エリア、目黒川近くの静かな場所。なのに地元の人から観光客まで多様な人が集まる。ここって、一部のおしゃれな人が集うような“尖った”捉えられ方をされがちだけど、実はそんなことなくて。
塩井 そう。ここでただ朝食を食べて、私たちや偶然いる誰かと話してもいいし、話さなくてもいい。自然なコミュニケーションが生まれる場所であって、おしゃれスポットじゃないのよ(笑)。
渡辺 ぎゅーっとプレスして焼き付ける「キューバンサンド」なんか、絶品だしね。
——開店を告げる10時のチャイムが鳴った途端、ふたりの外国人女性が席に着いた。その後も来客はあとを絶たない。今日もまた、新しい朝が始まる。
 
ブレックファスト クラブ 東京
住所:東京都目黒区東山2-2-4
電話番号:03-6886-8872
営業:[食堂タイム]10:00〜17:00(土・日曜は9:00〜18:00 ※モーニングビュッフェは9:00〜12:00
[BARタイム]火〜金曜の20:00〜26:00 無休
instagram@breakfastclubtokyo
 
若木信吾=写真 増山直樹=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。