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2020.03.20

ライフ

「その話のエビデンスは?」と突っ込む上司は20代に疎まれる


「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは・・・

初めての経験に「エビデンス」などない

今、全世界が新型コロナウィルスによって大混乱となっています。どう対処すれば正解なのかが誰もわからず、人々はさまざまな情報に惑わされて疑心暗鬼になっています。
その中で、ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授の発言に注目が集まりました。曰く、「今大切なのは、待たずに早く対策をすること。『対策にエビデンスはあるのですか』という議論もあるが、エビデンスを待っていたらいつまでも対策できない。人類が初めて経験しているのですから」というようなことでした。
コロナとは重大さが違いますが、これは、私たちが新しいことに取り組む際にも当てはまる話ではないでしょうか。

ファクトとロジックで「ダメなもの」はわかる

MBAやコンサルタントがビジネス界を席巻しはじめて、早数十年が経ちます。それまでは経験と勘でなされていた経営上の判断が、彼らによって「科学化」されていき、どんな判断も、事実(ファクト)を踏まえて、論理的に推論していく(ロジック)ことが重視されるようになりました。
そして、企画の提案者は、根拠となる事実(エビデンス)を基に、なぜその企画が当たるのかという論理的な説明を求められるようになりました。
このことでよかったのは「論理的に絶対にできない」ことがわかるようになったことです。ファクトに矛盾する現象は起こり得ないからです。そして不可能な企画は排除されるようになりました。

「エビデンスがまだない」=「ダメ」ではない

ただ、このことには副作用がありました。それは、根拠となる事実がまだ見つかっていない場合、企画がなかなか通らなくなったことです。しかし、「矛盾する事実があればダメ」というのは明確ですが、「支持する事実(エビデンス)がない」は即ダメとはなりません。まだ見つかっていないというだけです。
ところが、新しいことにチャレンジする場合、往々にしてエビデンスは無いものです。iPhoneが登場する前に、もし提案者が「なぜ、それが当たるのかというエビデンスを出せ」と言われたら、iPhoneは世の中に登場していたでしょうか(実際はジョブズ自身が提案者だったのでそんなことはなかったのですが)。


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