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2020.01.04

ライフ

写真を撮れば登録完了。iPhoneをサイフとして使うための作法

iPhone再入門●子供の成長記録を収めたり、仕事のメールを確認したりと、もはや生活に欠かせないiPhone。しかし、そんな“相棒”の真価をぼくらは知らないかもしれない。Appleフリークが語ってくれた、読んだら誰かに教えたくなる知識の数々をお届けする。
撮影
キャッシュレス化の進む昨今、かつてのように分厚い財布を持ち歩くのはステータスではなくなった。これからは現金をほとんど持たずして決済を行うのが、スマートな男のたしなみというもの。クレジットカードに頼っている人は多いと思うが、より現代流を追い求めるならiPhoneをお財布代わりに使いこなしたい。
「iPhoneはいまや、世界中どこに行っても端末ひとつで決済できるようなお財布代わりの存在になりつつあります。過渡期にある現在であれば、ポイントが付与されるキャンペーンや、消費増税からスタートした国主導のキャッシュバックなども豊富。まさに始めるなら今、というタイミングではないでしょうか」。
Appleフリークのライター・編集者であり、お坊さんとしても活躍する吉州正行さんに、iPhoneを財布化させるための作法を聞いた。

【教えてくれた人】吉州正行:埼玉県でお寺の副住職を務めながら、さまざまなメディアや広告で制作業務を手掛ける。相続や遺産の問題にも詳しい。
 

“ピッ”とかざすだけ。登録も決済もお手軽なApple Pay

――スマホ決済がブームなのは知っているのですが、あまりにもサービスが乱立していて……。正直、よくわからない印象です。
まずは基礎のキですが、iPhoneの決済サービスは大きく2つに分けられます。ひとつは「非接触型」、もうひとつは「QRコード読み取り型」です。前者はICカードのように、iPhoneをピッとかざすだけで決済できるサービス。逆にQRコード読み取り型は、画面にQRコードを表示し、それをお店の人に読み取ってもらうことで決済できるサービスです。
iPhone kessai
非接触型
非接触型
こちらが「非接触型」の決済イメージ。決済機器にかざすだけでOK。
QRコード読み取り型
QRコード読み取り型
QRコード読み取り型は、このような決済イメージ。
非接触型
QRコード読み取り型
 
非接触型は、端末に入ったNFCチップを読み取ることで決済する仕組み。iPhoneのスペックに依存するため、iPhone 7以降の機種にしか対応していません。一方でQRコード読み取り型は、画面にQRコードを表示するだけなので、機種を問わない手軽さが特長です。竹の子のように次々とサービスが登場しているのは、主にQRコード読み取り型ですね。
――なるほど。
非接触型のなかでも代表的なのが、Apple Payです。これはiPhoneをレジの横にあるリーダーにかざすだけで、あらかじめ登録したクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどによる支払いが可能なサービス。利用できるのは加盟店に限られますが、近年は多くの百貨店やレストラン、さらにはタクシーや自動販売機にまで普及しつつあります。
吉州さん
――でも、登録に手間がかかるんじゃないですか?
それが楽チンなんですよ。40代の皆さんならクレジットカードの1枚や2枚、人によっては5枚くらい持っているのではないでしょうか。その中から利用したいカードを1枚、お手元に用意してください。
次にiPhoneに標準搭載されている「Wallet」アプリを開き、画面の右上にある「+」マークをタップしましょう。するとカメラが立ち上がるので、クレジットカードを映すと……。
クレジットカードの読み取り
クレジットカードの情報を、iPhoneのカメラ撮影で一瞬にして読み取ることができた。
iPhoneがカードをスキャンし、情報を読み取ってくれます。仕上げにセキュリティコードを入力して、利用規約に同意すればたいていのカードの登録は完了。たったこれだけの作業で、Apple Payを利用することが可能になります。
――ものすごくお手軽ですね!
店頭での支払いもカンタンで、まずはiPhoneのサイドボタンをダブルクリック(iPhone X以降の場合)。自動的にApple Payが起動するため、Face ID、Touch ID、パスコード入力のいずれかでロックを解除したら、あとはiPhoneをリーダーにかざすだけ。ここまで10秒とかかりません。むろん、店頭のみならずオンラインでの決済にも使えますよ。
Apple Payの支払い画面
また、Apple Payのもうひとつの大きな魅力はSuicaとも連動できること。加えて「QRコード読み取り型」の決済もなかなかの優れものなので、以下でご紹介します。

「もっと知りたい!」機能①
Suicaを登録すれば、iPhoneが交通系ICカードに早変わり

交通系ICカードとして、首都圏を中心にポピュラーなSuica。毎日の電車移動はもちろんのこと、コンビニでのちょっとした買い物などに使用している人も多いと思うが、Apple PayではSuicaも登録できる。
「お持ちのSuicaをWalletアプリへと追加すれば、iPhoneがSuicaに早変わり。お馴染みの『Suicaで!』の一言で、店頭でのお支払いも可能です。極めつけは、Suicaを『エクスプレスカード』に設定すると、いちいちiPhoneのロックを解除しなくても、そのままリーダーにかざすだけで決済できます。改札の通過からショッピングまで、従来のSuicaと変わらない使用感で利用可能です」(吉州さん、以下同)。
ただし、頭に入れておきたい注意点もある。
「Suicaでは原則、ひとつの端末に対して複数のアカウントを紐づけることはできません。すなわち、iPhoneでもApple Watchでも同一の残高情報を利用する……といった使い方には対応していないんです。また、機種変更をする場合は、事前に端末から登録を解除しておきましょう。そうしないと引き継ぎがスムーズに行えず、JRのサポートセンターに問い合わせるなどの手間に追われることになります」。
 

「もっと知りたい!」機能②
おトクに利用したいなら「QRコード読み取り型」のサービスを

画面にQRコードを表示し、お店の人に読み取ってもらうことで決済する「QRコード読み取り型」のサービス。こちらはクレジットカードや銀行口座などと連携し、残高をチャージして利用するのが一般的だが、最大のメリットはその“おトクさ”にあるという。
「PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどに代表されるQRコード読み取り型は、テレビCMでサービスを目にすることも多く、今まさに売り出し中。キャッシュバックやポイント付与など、各社ともに充実したキャンペーンを打っているので、恩恵を受けられる可能性は高いです。始めるなら今だと思いますよ」。

 
「持ち物にこだわる我々の世代にとっては、財布選びも楽しみたいのが本音でしょう。とはいえ、せっかくのお気に入りの財布がクレジットカードや領収書でパンパンになってしまっては、元も子もありません。ならば、決済機能の何割かをiPhoneに移すことで、最近トレンドのコンパクトな財布を、お尻や胸元のポケットにスッと忍ばせる。iPhoneを財布代わりにすることは、従来の財布をよりスマートに活用するための打開策にもなり得るのではないでしょうか」。
時代は移り変わり、おカネは必ずしも形あるものだけではなくなってきた。そんな変化を敏感に嗅ぎつけ、巧みに使いこなしていくのが、次世代の40代に求められる姿かもしれない。
【iPhone再入門】
Scene1.撮影/Scene2.フィットネス/Scene3.ドライブ/Scene4.緊急事態/Scene5.DIY/Scene6.iPhone紛失
小島マサヒロ=写真 佐藤宇紘=文


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