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2019.11.26

ライフ

金利の低さ=貸し倒れリスク! 日本一のスペシャリストに聞く、住宅ローン選びのコツ

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連載「賢い借金」
ローンや借金というと、ネガティブに捉えがち。でもちょっと待った! 借金とは、いわば“未来のお金を先に使うこと”。使い方次第で利用価値は大いにある。家や車といった大きな買い物も増える年代。一度フラットに借金を考え直してみよう。
       
30代後半になると、そろそろマイホームを考える人も多いだろう。そこで待ち受けているのが「住宅ローン」。一般の人が利用する“借金”としては、最大かつもっとも定番と言えそうだけど、選び方がいまいち分からない。
そこで前回は、“日本一住宅ローンに詳しい男”こと、iYellの代表取締役社長・窪田光洋氏に取材。すると「住宅ローンは全然難しくない。むしろシンプル」との答えが返ってきた。そして「やみくもに金利の低いローンを狙うのは危険」とも……。この辺について、前のめりで聞いてみた。
窪田光洋iYell代表取締役社長兼CEO。1984年神奈川県生まれ。2007年に新卒でSBIグループのモーゲージバンクに入社し、2014年に最年少で執行役員に就任。住宅ローン商品の組成から販売、審査、債権処理など、すべてのフェーズでトップを歴任。2016年に独立しiYellを設立。セミナー講演や執筆も手掛ける。
 

自分が返済できなくなる確率、わかります?


--前回、住宅ローンの「金利」の考え方を教えてくれると言われていました。なるべくシンプルに、簡単に、お願いします!
わかりました。あえて簡単な言い方をすると、金利って「貸し倒れ」のリスクなんですよね。つまり、借主がローンを返せなくなる確率です。それが「金利○%」に表されている。そう考えると単純じゃないですか。
--ほお……。
日本の住宅ローンは、おおむね金利が0%代〜5%以下です。その数字は、金融機関が考える「この人が返済できない可能性」につながるわけで、いわば貸し倒れの確率を見極めるためにローン審査をしています。
--なるほど。確かにそう考えるとシンプル……。
あくまで一例ですが、インドネシアの住宅ローンって金利が約9%というケースが多いんですね。それは、単純に返済しない・できない人が日本よりたくさんいるからなんです。
--ちなみに、金融機関はどうやってローン審査をするんですか。
いろいろな要素がありますが、いちばん大きいのはやはり「職業」ですね。収入は返済に直結しますから。分かりやすくするために、あえてざっくり言いますよ。ざっくり言うと、公務員や上場企業のサラリーマンは厳しい審査に通りやすい。つまり、低い金利の住宅ローンに受かりやすい。一方、フリーランスは収入がどうしても不安定になりがちなので、厳しい審査は通りにくい。あくまで、あくまで一般論ですよ。
--僕がフリーランスのライターだからって気を遣わなくていいですよ。
すみませんね(笑)。いずれにしても、そう考えると金利はすごくシンプルな構造だと思いませんか。


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